Hello! Project New Fes!2015@渋谷公会堂 5/16 昼夜レポ 明日を継ぐ者たち

はい。5月16日に渋谷公会堂で開催された「Hello! Project New Fes!2015」の昼公演と夜公演に参加してきました。

ハロプロの新グループ、「カントリー・ガールズ」「こぶしファクトリー」「つばきファクトリー」の3グループが一堂に会したお披露目イベントです。
イベント自体も楽しく、壇上の新人たちが初々しくて可愛くて、ニッコニコして渋谷から帰ってこれる素敵なイベントであっただけではなく、ハロプロの今後にとても期待が持てるという意味でも、この先が楽しみになるような嬉しいイベントでしたよ。

それに、開演前の待ち時間に、恒例のハロプロ所属グループのMVダイジェスト映像が上映されますが、その段階で、カントリー・ガールズの島村嬉唄さんのセリフ部分で(映像だっちゅうのに、ステージに誰も出てきてやしねぇのに)客席から一斉に入る「ふぅ~~~!」という煽りも激しめで、新人さんたちを受け入れる気満々で待ち構える人々が渋谷公会堂を埋める、恵まれた暖かい会場でした(後述)。

画像:ハロー!プロジェクト オフィシャルサイトより

左からカントリー・ガールズ、こぶしファクトリー、つばきファクトリー

セトリとイベント構成

昼公演は12:30開演、夜公演は17:30開演です(昼はちょっと押したけど)。
各公演は、ゲームコーナーとライブパートからなり、それぞれ1時間30分弱といったところ。
にもかかわらず、公演間隔が長めなのは、昼公演でも夜公演でも、イベント終わりに全員参加の握手会があったからでした。

進行役に、さわやか五郎さんが登場してくれて、ももち先輩と上手に新人さんたちを前に出してあげながら、楽しい進行を勤めてくれました。

セットリスト

セトリと構成は次のとおり。昼公演、夜公演とも、同じ構成です。

女の園 (こぶし、つばき合同)/オリジナル:ハロプロ研修生
愛おしくってごめんね (カントリー)
MC
ゲームコーナー
十七歳 (つばき)/オリジナル:森高千里(南沙織?)
ピリリと行こう!(こぶし)/オリジナル:Berryz工房
念には念 (こぶし)
恋人は心の応援団(カントリー)/オリジナル:カントリー娘。に石川梨華
恋泥棒 (カントリー)
ALL FOR ONE & ONE FOR ALL! (全員)

MCでは、各グループの代表者のご挨拶に続けて全メンバーが一言。
ゲームコーナーは、罰ゲームありで、グループ対抗クイズバトルです。

全メンバーの一言

各グループの代表者のご挨拶の後、さわやか五郎さんの「全員の声が聞きたいですよね~~?」とのフリから、全員が自己紹介と共に簡単な一言を。

昼公演では カントリー・ガールズの嗣永桃子さんから、ハロプロのあこがれの先輩、好きな先輩を。各メンバーの一言は次のとおり。

嗣永桃子:保田圭(モー娘。OG)
山木梨沙:道重さゆみ(モー娘。OG)
稲場愛香:工藤遙(モー娘。’15)
森戸知沙希:鞘師里保(モー娘。’15)
島村嬉唄:ももち先輩
小関舞:矢島舞美(℃-ute)
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藤井梨央:矢島舞美(℃-ute)
広瀬彩海:福田花音(アンジュルム)
野村みな美:和田彩花(アンジュルム)
小川麗奈:工藤遙(モー娘。’15)
浜浦彩乃:ももち先輩
田口夏実:鈴木愛理(℃-ute)
和田桜子:岡井千聖(℃-ute)
井上玲音:萩原舞(℃-ute)
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小片リサ:福田花音(アンジュルム)
山岸理子:鈴木愛理(℃-ute)
新沼希空:石田亜佑美(モー娘。’15)
谷本安美:鈴木愛理(℃-ute)
岸本ゆめの:ももち先輩
浅倉樹々:鞘師里保(モー娘。’15)、高橋愛(モー娘。OG)

あこがれの先輩を問われ、私が先輩なのになあ…という感じで戸惑う ももち先輩でしたが、その戸惑ってみせる一幕も、保田さんというチョイスも、さすがの一言に尽きます。
また、あこがれの先輩として後輩に自分の名前を出される都度、ニヤニヤしてる様子も含め、すっかり(別グループも含めて)後輩たちに対する立ち位置を定め切っているあたり、どこまでもプロフェッショナルでした(後述)。

夜公演では、昼とは逆の順番で、ハロプロの好きな曲を。各メンバーの一言は次のとおり。

浅倉樹々:123、I’m lucky girl (どちらもモー娘。)
岸本ゆめの:行け行けモンキーダンス(Berryz工房)
谷本安美:ぁまのじゃく(スマイレージ)
新沼希空:いつもとおんなじ制服で (モー娘。)
山岸理子:我武者LIFE (℃-ute)
小片リサ:踊ろうよ(スマイレージ)
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井上玲音:心の叫びを歌にしてみた(℃-ute)
和田桜子:涙の色 (℃-ute)
田口夏実:OVER THE RAINBOW(Buono!)
浜浦彩乃:ギャグ100回分愛してください(Berryz工房)
小川麗奈:涙ッチ(モー娘。)
野村みな美:ドットビキニ(スマイレージ)
広瀬彩海:私の心(スマイレージ)
藤井梨央:美少女心理(℃-ute)
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小関舞:胸騒ぎスカーレット(Berryz工房)
島村嬉唄:Love together (Berryz工房)
森戸知沙希:わがまま気のまま愛のジョーク (モー娘。)
稲場愛香:時空を超え 宇宙を超え(モー娘。)
山木梨沙:気まぐれプリンセス、踊れモーニングカレー(どちらもモー娘。)
嗣永桃子:スキちゃん(スマイレージ)

ここでも ももち先輩はスマイレージの『スキちゃん』を挙げるなり、サビを歌い出し客席を煽って、「スキちゃん、スキちゃん、ももちがスキちゃん!」のコールを引き出します。「ももちがスキちゃん!」コールが気持ちよすぎて、延々と続けるかに見えた ももち先輩を、さわやか五郎さんが上手にたしなめるなど、うっかり吉本新喜劇を見に来たのかと勘違いしかねない見事なお約束でしたよ。

グループ対抗クイズバトル

ゲームコーナーは、グループ対抗のクイズバトル。
各グループの選抜メンバーが特定の課題にチャレンジして、課題をクリアしなければクイズの回答権が得られないという趣向。

クイズと課題は、こんな感じ(メモ取り切れなかったので間違っているかも)

昼公演
課題:空き缶10個積み上げ/クイズ:ハロトロドン!
課題:二重跳び/クイズ:雑学
課題:黒ひげ危機一発の別物ゲーム/クイズ:常識問題
課題:ぶら下がりタイムアタック/クイズ:漢字書き出し
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夜公演
課題:風船尻割り/クイズ:ハロトロドン!
課題:けんだま/クイズ:雑学
課題:黒ひげ危機一発の別物ゲーム/クイズ:常識問題
課題:ぶら下がりタイムアタック/クイズ:漢字書き出し

「空き缶10個積み上げ」は空き缶を10個一列に積み上げる早さを競うもの。「ハロトロドン!」はハロプロ縛りのイントロクイズ。「二重跳び」は二重跳び五回の早さを競い、「黒ひげ危機一発の別物ゲーム」は黒ひげ危機一髪の黒ひげ人形の代わりにマジックボール的な何かを飛ばすゲームで、早く飛ばしたグループが勝ち。「ぶら下がりタイムアタック」はグループの代表者がどれだけ長くぶら下がり健康器的な機具にぶら下がっていられるかを競い、「漢字書き出し」は、代表者がぶら下がっている間に、どれだけたくさん漢字を書き出せるか(偏縛りあり)を競います。

最下位になったグループは、一人10秒で他のグループをホメなければいけないという罰ゲーム。昼公演では、こぶしファクトリーが最下位になり、夜公演では、つばきファクトリーが最下位となっておりました。

がんばっていた新人たち

上述のとおり、ゲームコーナーとライブパートで構成された、とても楽しいイベントでしたが、やはりステージの上で、ライブに、ゲームにと、新人さんたちの、一生懸命に頑張る姿勢や、しっかり楽しもうとする姿勢には、心が洗われるようでした。
以下、個別に印象に残ったところを。

つばきファクトリー

つばきファクトリーの結成を、アドバイザーの清水佐紀さんから「ハロ!ステ」上でお知らせされたときには、「ずっと先輩たちのツアーに帯同していたメンバーで、デビューできていなかったのは私だけだった(趣旨)」と泣いていた山岸理子さん。
その、ほんわかした顔立ちから、なんかもう、ただそこに立ってるだけで笑いかけてあげたくなりますよね。
昼公演の『十七歳』パフォーマンス時、立ち位置の移動で遅れたものか、他のメンバーとすれ違って移動するのがギクシャクした場面があって、スクリーンに抜かれるも、自分のミスに焦った表情を浮かべているかに見えましたが、その同じパートを、夜公演では、ちゃんと修正してきたのは、見事でした。
思い込みに過ぎると自分でも思いますが、「偉かったよ」と言ってあげたい。

その「ずっと先輩たちのツアーに帯同していたメンバー」でもある岸本ゆめのさん。
さすがのパフォーマンスです。すらっとした肢体で、大きなダンスが見栄えします。今後に期待大です。とか思っていたら、肌の色について軽くdisられ、じわりとキャラも立ち始めています。
Berryz のツアーにも、℃-ute のツアーにも帯同していましたもんね、きしもっちゃん。

ずっとベリキューのDマガで観ていたこともあり、山岸理子ちゃんと岸本ゆめのさんが晴れてユニットを組んでパフォーマンスをしているところは、やや目頭ピンチです。それから、小片リサさんと新沼希空さんの美少女ぶりに驚いていることを付け加えねばなりません。すっかり事務所の掌の上で踊っております、私。

こぶしファクトリー

野村みな美さんのガチさ度合いに刮目です。
『念には念』の、客席方向に側対して、髪を振り乱しながら横にパンチを連打するような振り付けの部分、野村さんがスクリーンに抜かれたんですが、目を見開いて睨みつけるかのようにしていて、そのガチさに「おおっ!」と思わされます。

また、同じく『念には念』で、中央で2人が背中合わせに歌い他の6人が中央の2人の周囲を腰をかがめながら回るパートから、8人2列にステージ一杯に展開するパートへの移行部分、和田桜子さんの移動距離が長く、腰をかがめた状態から仁王立ち風の直立状態へ、スムーズに体勢を変化させているところは刮目です。
かつて、モーニング娘。の『愛の軍団』のフォーメーションダンスで、生田さんが「がんばって移動してるんだから」と力説していましたが、和田桜子さんの移動距離、当時の生田さん並かと。

こぶしファクトリーは、ライブパートでは、Berryz工房の『ピリリと行こう!』と自分たちの『念には念』を歌ってくれたわけですが、やはり『念には念』、何度も演じている分、ダンスや歌割りのあちこちで、メンバーごとの “味” が出始めています。
ちゃんと、自分たちの持ち歌として自家薬籠中のものと化しつつある様子が見て取れて、「成長している」と言ってしまっては言葉が軽いような、ちゃんとユニットとして地に足を付けつつあるような、そんな印象を受けます。

さわやか五郎さんに髪型を広瀬香美呼ばわりされた藤井梨央さん。きっと「広瀬香美」って言われても、よくわからなかったものと見え、スクリーンに抜かれた きょとん顔が愛らしく、イジり甲斐のあるキャラを確立しつつあります。

カントリー・ガールズ

山木梨沙さん、ゲームコーナーの「けんだま」課題に挑み、圧倒的なポンコツぶりを発揮。勝負の決着がついているにも関わらず挑み続け、最後にようやく成功したとき、「やったーー!」と拳をつきあげて喜ぶその様子が愛らしすぎました。
端正な美人さんで、落ち着いたお姉さん然とした印象が強い山木さんですが、さわやか五郎さんへのブーイングに率先して参加して思わず腰を落とした本格的なサムダウンを見せてしまった稲場愛香さんも含め、当初は、ももち先輩の奮闘と、なかなかその奮闘について行けないで戸惑っていた若い3人の間を、懸命につないで、潤滑油としての役割を勤めようとしてきた2人のお姉さんたちですが、若い3人が、それぞれに自分の立ち位置を定めつつある昨今、ゆっくりと本来の「味」というか「キャラ」が滲み始めているようで、この先、どんな可愛らしいところを見せてくれるのか、楽しみでなりません。

島村嬉唄さん、その照れ具合に多くのファンを一瞬で魅了した『愛おしくってごめんね』冒頭のセリフパート、今では、そんな「照れ」などすっかり脱して、セリフ終わりに客席から寄せられる「ふぅ~~~~!!」の斉唱を、心から嬉しそうに受け止めています。
今般の「New Fes!2015」でも、スクリーンに抜かれるタイミングで意図的にか横顔をアピールするようなところもあり、意外に「完成されている」どころか、実は相当物慣れしているのではないかとも目されている嬉唄ちゃんですが、自己紹介の際に、うっかり中学13年生と。
道理でどことなく慣れた風だったわけで、モーニングの小田ちゃんが人生3回目であるように、嬉唄ちゃんは中学13年生だったことが判明しましたよ(笑)。

「西暦って何ですか?」と言い放ち、スクリーンに抜かれる嬉唄ちゃんとももち先輩の間からヒョコっと顔を出すなど、相変わらず顔を真っ赤にしてるのにお茶目なところを見せ始めた森戸知沙希さんだったり、正直に手を挙げてクイズでズルをしたことを申告したりしつつ、末っ子感を醸して上手にももち先輩に甘えている小関舞さんだったりと、カントリー・ガールズは、初期の異例なスタートダッシュから懸念された失速など、まったく心配する必要はないようです。

新たな火種もチラホラと

常識クイズで「ももちの干支」が出題され、こぶしファクトリーの広瀬彩海さんが「ももち先輩の干支って常識なんですか?」とクレームを入れる一幕も。その際、ゲーム後の感想を一言述べる場面では、広瀬さんは「干支が常識問題で出されるくらい有名な大先輩とゲームができて嬉しかったです」と、もうひとつチクリと。
夜公演の「風船尻割り」バトルでは、その広瀬ちゃんが こぶしファクトリーの風船割り担当だったのですが、順調にゲームを進めていることにコメントして「サポート係が上手だから」と述べるや、カントリー・ガールズでサポート係を務めていた ももち先輩が「それって私が下手ってこと?」と絡む場面もあって、ももち先輩と、こぶしファクトリーの広瀬ちゃんの間には、今後も不穏な空気が流れそうなフックがたくさん散りばめられたのでした。

また、他のグループをホメる罰ゲームでも、10秒という制限があるため、みんななかなか言いたいことをちゃんと言い切れず、中途半端なところで終わる形になっていくのですが、その片言隻句を捉えて、ももち先輩とさわやか五郎さんは、途中で終わったホメ言葉をdisりの方向へ曲解することを繰り返し、会場の笑いを誘うと共に、新しいグループ相互の間に、お互いのちょっかい出しのための、格好のツッコミどころを準備してくれていました。

そして最後の握手会

ごちゃごちゃと書いてきましたが、このように、お披露目イベントという軽めな印象とは裏腹の濃密で楽しいイベントでしたが、なんと昼公演も夜公演も、イベント終わりに全員参加の握手会がありました。
ライブハウスじゃなくて渋谷公会堂です。2階席もほぼ埋まっている状態ですから、えらい人数です。これが、特に短い時間で無理矢理流されることもなく、3グループ総勢20人のメンバーと、握手できたのです。

イベントそのものの時間よりも長いくらいの握手会、慣れないステージで緊張もしただろうに、だから疲れてもいるだろうに、新人さんたちは、初々しく最後まで笑顔を絶やさずに(夜公演は私は1階席の後列だったので、握手会もほとんど最後のブロックだったのです)しっかり目を見て握手してくれましたよ。

嬉唄ちゃんなど、やっぱりいろいろとファンのみなさんから声をかけられるのか、決まり文句での対応ができずに、アワアワと狼狽えているような感じもあって、とても可愛かったです。

私は、ももち先輩に「さすがでした」と声をかけて、やっぱり「おうっ!」と応じられて帰ってきました。

ステージの先生としての ももち先輩

そして、ライブでもゲームでもMCでも、まだまだ慣れない新人たちが懸命にステージを勤める中、光っていたのは ももち先輩の目配せと配慮です。

「自分だけが20代」「私は10年やってきたのに」というところを敢えて強調して、いわば自分から泥をかぶりに行って、ちゃんと相手を美味しくしてあげる技は随所で発揮され続けているわけですが、上にも述べたように、こぶしファクトリーの広瀬ちゃんと遺恨を残すところなど、他のグループへも積極的に絡みに行って、ステージ全体を盛り上げようとしていたのは、さすがの一言に尽きます。
さらに凄いのは、そうやってステージ全体を盛り上げるために、いろんなメンバーに絡みに行くとは言っても、相手かまわず誰にでも絡みに行っているわけではないところ。
やっぱり一番経験が浅く相対的に緊張度合いが強かった つばきファクトリーへは、あまりキツめの絡み方はしていませんし、ゲームに夢中になるあまり、客席に背中を向けてしまうメンバーを(ちゃんと笑いにからめて)注意したり、最後の挨拶で一人だけ20代であることを強調して客席からのエーイングを(自ら意図して)呼び込みながら、「そうは言っても20代ですよ? みなさん、もっとご年配の方もいらっしゃるでしょ?」と客席をひとしきりイジっては、「あっ、お客さんにこういうこと言っちゃダメだからね」と、若い後輩たちに上手にお手本を見せています。

また、つばきファクトリーへはキツめには絡みに行かないと書きましたけど、岸本ゆめのちゃんが、他のグループをホメる罰ゲームに、上手に自分の良いところを埋め込んで来るや、「自分が一番か!(趣旨)」と的確に突っ込みに行くなど、「あ、こいつは大丈夫だ」との見極めが、ももちにはあるようです。
そして繰り返しになりますが、広瀬ちゃんとの一連の因縁など、しっかり相手の技を受ける姿勢は健在で、まだ自分から仕掛けた流れを自分できちんと処理できない相手の仕掛けすら、ちゃんと受けてあげて、その上で、しっかりオチまで処理してあげています。

もちろん楽しく「あはは」と笑って見ていられる愉快なステージではありますが、少し落ち着いてみると、握手会でそのように声をかけたとおり、ももち先輩には「さすが」の一言しかありません。
ステージを盛り上げることに専心しているだけではなく、大事なことをちゃんと教えていること、ちゃんと相手を見て絡み方の強弱をつけていること、これらの全部が、しっかり後輩を教えることにつながっていること。

Berryz工房が活動停止してカントリー・ガールズに移籍するにあたって、「私の天職はアイドルだ」「まだアイドル・グループを続けたい」といった自分の側の動機をインタビューなどで述べていた ももち先輩ですが、もう一つには、もしかしたら、きちんと後輩を教え導くために、という動機が隠されていたのかもしれませんね。
そう思えるくらい、ももちがいてくれれば、ハローは安泰だとも思えるほどの活躍でした。

先輩たちが創ってくれた土台の上で

やっぱりステージの上で頑張っているメンバーたちは、いかにも眩しいです。
とても個人的なことですが、やっぱり「おっさん」と言われるような年齢まで生きてくると、短くない人生の中で、ここぞという切所で逃げてしまったり、してはならない場面で失敗したりしてきたわけです。そういう自らの来し方をふり返った時の苦みを踏まえて、やっぱり、若くして、自分の夢から逃げずにチャンスをつかんだ子たちが、自分がつかんだチャンスを本物にすべく、まっすぐ頑張っている姿には涙してしまうところがあります。

そして、そんな若い子たちが、まっすぐ頑張ることのできる、そんなステージは、先輩たちが創ってくれたものです。自分の思い描く理想と現実の違いに対峙して、同じように正面から闘ってきた先輩たちが創ってくれたステージです。
上で書いたように、ももち先輩は、上手にステージを回す中でも、はっきりとした注意であれ、自分のステージ上の動きを介してであれ、後輩を教え、そして慣れない舞台で決定的にしくじってしまうことから後輩たちを守ってくれています

この「Hello! Project New Fes!2015」では、つばきファクトリーが公式のブログを始めるとお知らせされました。
かつて道重さんが、あれほどまでに望みながら、ようやく許されたブログを、新人さんたちは、デビュー前から始めることができます。
これは、新人さんたちが恵まれているとやっかんでいるわけではありません。ブログにしても、先輩たちが時に失敗した中から(詳述はしませんが、知っている人は知っている6期の失敗など)おおよそのガイドラインというか安全ラインが見えてきているからこそのものです。先輩たちが、様々に試行錯誤しながら、闘いながら、そうやって創ってきたハロプロとそのステージがあったればこそ、今、若い新人さんたちが、先輩が押し上げてくれたレベルからスタートできるということです。
熱いファンも、そのファンの作法も含め。
そうであればこそ、お披露目のステージで渋谷公会堂が埋まる、と。

さて、後輩たちは、だから先輩たちに感謝せねばならない…のでしょうか。

明日を継ぐ者たち

こぶしファクトリーも、つばきファクトリーも、「ファクトリー」という名称には、Berryz工房のスピリットを継承するという意味が込められていることは、公式にも宣言されています。
こぶしファクトリーは、今般の「Hello! Project New Fes!2015」で、Berryz工房の『ピリリと行こう!』を歌い、モーニングの春ツアーのOAでは『かっちょ良い歌』を歌っています。カントリー・ガールズは、3月の有明Berryz祭りでは『ハピネス~幸福歓迎~』を歌っています。

何より、先輩たちが創ってくれた舞台の上で、改めて新しい後輩たちがパフォーマンスを続けてくれるからこそ、そのステージを創った先輩も忘れられることはありません。
かつて、中澤姐さんが、リーダーを継いだ道重さんに「シゲちゃんたちが頑張ってくれているから、私は過去の人にならないでいられる」と伝えたように。

後からやってきた後輩たちが、内容もキャラもパフォーマンスも違えど、やはり同じようにハロー!プロジェクトの冠の下で活躍してくれるからこそ、その活躍の場を創ってきた先輩たちは、後輩の活躍の背景に常に照らし出され忘れられることはありません。後輩たちの影にそっと寄り添うように、後輩たちの物語の少し位相を異にした別のレイヤーで、先輩たちの、ハロー!プロジェクトの物語もまた続いて行きます。

この子たちが繋いでくれるから、明日のハロー!プロジェクトが続いていく。
明日もハロー!プロジェクトが続いていくから、昨日の先輩たちも、常にそこに生きている。

私はむしろ、明日を継いでくれる後輩たちにこそ、先輩たちのファンだった者として、感謝しなければならないように思うのです。

*****

上に触れたように、自分をふり返るなら、投稿者は、これまで逃げたりしくじったりして、必ずしも望んだ人生を生きているわけではありません。しかしながら、それでも、この人生でハロー!プロジェクトを知り得、ハロー!プロジェクトのすばらしさに気づけたことの一点において、人生を10割得してるな、とほくそ笑むのでした。

「Hello! Project New Fes!2015」は、「カントリー・ガールズ」「こぶしファクトリー」「つばきファクトリー」の3グループが一堂に会した楽しく濃密なお披露目イベントであるだけではなく、ハロー!プロジェクトの昨日と明日を同時に見せてくれるような、すばらしいイベントでした。

まことに産まれてきた甲斐があります。
うっかり嬉唄ちゃんと山木さんの写真を買ってきてしまったことは秘密です。

(文=kogonil)

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