つんく♂がいつまでも全てのグループをプロデュースし続けていていいのか?

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つんく♂は優秀な職人的現場プロデューサー

ビジネス的な話をするならば、「下手な鉄砲」というのは割と当たるもので、「そこそこ当たる中程度の鉄砲」を数撃てばそれなりの当たりもでるものである。つまり、赤字にならない事業を運営する手法が確立できたら、次はその事業の収益を3倍にするよりも、事業を水平展開して3個増やしたほうが確実に儲かる。つんく♂がハロプロでやろうとしたのもまさにこういうことなんじゃないかと思う。(あとはどれかがコケた時のリスク分散)

つんく♂は大阪時代はいざしらず、夢と音楽性でバンド活動をしているわけではないので、責任ある社会人、職業的プロデューサーとして、決められた期日までに決められた数の曲を生産することが仕事である。
よく、「つんく♂はアレンジャーに丸投げ」と批判している人がいるが、批判する前に、会社組織で仕事をした経験を思い出して(あるいは想像して)いただきたい。例えば立ち上げ直後の人がいないベンチャー企業なんかだと社長がなんでもやってしまったりするが、中堅以上になるなら、ちゃんと適材適所、経理は経理、デザインはデザイン、営業は営業、システムはシステム、と専門家に任せないと上手く回らなくなる。プロデューサーがやるのは本来グランドデザインを作る仕事であって、そういう意味で言えばつんく♂はプロデューサーとしてかなり楽曲よりに関わっている方だと思う。

同じプロデューサーでも、例えばYOSHIKIのようにアーティスティック過ぎて、「満足行く出来にならない」といって、1曲に3年も費やしてレコーディングして赤字を垂れ流すような人は、会社としては怖くて使えない。つんく♂が重用されるのは、これまでの実績も勿論あるが、こうして曲を量産できる、きっちりと上げてくるところが会社からの絶対的な信頼につながっているのだと思う。
このあたりの曲作りについては、以前出演したダイノジのラジオでも語っていた。(スクールナイン(ゲスト:つんく) ‐ ニコニコ動画:Q
曰く、「よくミュージシャンは『今日は作る気にならない』『降りてこない』とか言い訳にする。でもそうやってだらだらしてて、1週間曲作りの期間があっても結局作ったのは最後の1日だけだったり。それなら毎日この日はこれだけ作業をする、と決めてかかる」と。

でもそろそろ次のステージへ

と、ここまでつんく♂さんがプロデュースを一手に引き受けることを擁護してきたわけだが、実はそろそろ次の手を考えてもいいんじゃないかと思う。
以前、秋元康がこんなことを言っていた。

秋元 AKBって、マイナスを食べて生きているんだよ。で、僕がひとりしかいないことですべ てが遅れているわけ。NMBもSKEも新公演ができない、HKTのデビューも遅れている。でも、これが面白い。
たとえば、たとえばだよ、SKEは小室哲哉に頼もう、NMBはつんく♂ 頼むぞ、って判断しないといけないかもしれない。そこが自分のなかでは面白い。
http://gqjapan.jp/2013/01/25/2013akb48

(最近知ったのだが、AKB用語で「公演」というのは、全曲オリジナルの書き下ろし曲で構成する1ステージのことだそうで、普通のミュージシャンでいう「アルバム」みたいなもんらしい)

つんく♂の場合は、遅れない。つんく♂が一人いることで、全てのグループがスケジュール上、滞りなく流れていくので問題が表面化しない。しかし、何らかの事情で明日つんく♂が作詞作曲できなくなったとしたら、ハロプロはその時点で終わる。
そうならない内に、たとえば中島卓偉でもいいし、れいなをプロデュースしたい・されたいと言っているソフィア松岡でもいいし、Buono!のような企画モノでなくても、カップリング曲から少しずつ外注や弟子の育成などを始めてみてもいいのじゃないかと思う。

冒頭の作曲プロデュースのところで、中堅ベンチャー会社にたとえて「アレンジャーに任せるのは当然」と書いたが、さらにその上の立場になって、作詞作曲もまかせて、自身は方向性を支持するくらいのポジションに…。
とここまで書いて思ったけど、そこまでいっちゃうとつんく♂もファンもつまらなくなってしまうんだろうな、と思う。

たびたび引用して恐縮だが、秋元康のつんく♂評。

秋元「つんくはね、やっぱりミュージシャンなんですよ。楽曲的なクオリティは、今までのアイドルの中ではモー娘。が最高峰だと思います。音楽的なレベルで言うと」

田中「あぁ、そうなんですか」

秋元「AKBは、音楽的なクオリティっていうよりも、みんなが楽しめる音楽はどのへんかってことでいくじゃないですか」

田中「うん、うん」

秋元「カラオケで歌ってもらうには、とか。盛り上がるのはどうだろうかって。でも、つんくはアーティストとして、『今、この音楽をやりたい』っていうのが先に立つんですよ」

田中「あぁ、そういうことかディスコ音楽をやりたい、とかね」

秋元「そうそう。だから、クオリティ高いし。いつも最先端にいるし」
モーニング娘。とハロプロD.Dブログ 秋元康 「楽曲的なクオリティは、今までのアイドルの中ではモー娘。が最高峰だと思います」”

まあ敵ながらやっぱりよく見てるよね。

なんだかんだ言って、つんく♂プロデュースだからこそ、我々も一喜一憂しながら楽しみにできる部分は大きい。時に首を傾げる曲もあるが、やっぱり最終的なところでは外さない、がっかりさせない期待に答えて素敵に楽しいいつものつんく♂、という安心感がある。
批判派の皆さんも、変な曲がリリースされた時に文句をいう相手がいなくなったら寂しいでしょ?

(文=宮元 望太郎)

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“つんく♂がいつまでも全てのグループをプロデュースし続けていていいのか?” への4件のフィードバック

  1. avatar アライブ名無しさん より:

    パズドラが転けたらガンホーが終わるし、ハロプロやつんくもリスクは承知してると思う。
    来年あたり新ユニットが出る時点で何か変わらないと、ハロコンも各ユニットの曲数が減りそう。

  2. avatar アライブ名無しさん より:

    しないよ派懐かしすぎワロタw

  3. avatar アライブ名無しさん より:

    つんくってのはあくまでP役を担ってる役者さん兼音楽製作部門のヘッドを託された人
    問題はこの仕組みを作ってる真のプロデュースをやってるさらに上の人間達が
    なんていうかもうどうしようもなくアレなんですよここおそらく
    田中のラベンダーとか見てると分かるでしょ?

  4. avatar アライブ名無しさん より:

    ラベンダーは特別だろ、れいな以外素人なんだからまずは経験。
    卓偉も言ってたように時間が必要。なんでもかんでも一緒に
    すると話がややこしくなるぞ。

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