最近のハロプロ関連DVDに見る、名編集と映像スタッフの愛

最近、ハロプロ関連のDVDを見ていると、どれほどの人が賛成してくれるかわからないけれど、あまりにも幸せな視聴体験に、この上なく幸せでありながら、泣きそうになることってありませんか?
昨今、編集が冴え渡っていると思いませんか?

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物販Dマガの幸せな風景

幸せすぎて泣きそうだと言えば、おそらくは2012年の「カラフルキャラクター」あたりからのツアー密着系のDマガが挙げられるだろう。
ライブ現場の臨場感は何物にも代え難いものだが、それでもステージ上のMCやメンバーのブログなどからだけでは知りえない部分を私たちに見せてくれる。

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たとえば、ちょっと行き過ぎた天真爛漫さで、個別握手会ではブース内のテーブルの下に隠れて出てこないといった証言まである まーちゃん(佐藤優樹) は、真正面からファンとしてついていくのは骨が折れそうだったりもする。
けれど、そんな まーちゃん が、あんなにも れいな に懐いてくれたこと、あんなにも道重さんを慕ってくれたこと、一人で加入してきた小田ちゃんと9期、10期との間で橋渡ししていたこと、今の幸せなモーニングの雰囲気を醸成するのに、あまりにも大きな力になってくれたこと、こうしたことをファンに知らしめてくれるのは物販のDマガのツアー密着ものだったりする。

そんな まーちゃん を知るからこそ、ライブで、たとえば「あ~~い~~すゎ~~れ~~どわぁあああぃっ」と歌い終えてドヤ顔全開の まーちゃん に向かってする拍手にも力が入ろうというもの。

このツアー密着系のDマガの幸せ感は、モーニングだけではなく、Vol.35 の「トレジャーボックス密着」あたりからの℃-uteも、Vol.33の「Berryzマンション入居者募集中 密着」あたりからのBerryzも、同様だったりする(※ 個人の感想です♪)。

ライブDVDの冴えた編集

でも、鑑賞していて衝撃なのは、実はDマガだけじゃない。
一般発売されているライブのDVDも、昨今、ほんとうに目を見張るものになっていると思う。

ライブのDVDと言えば、メンバーのソロVer.が別途販売されるくらい、推メンの写りが少ないだの、チラチラ画面が切り替わって見難いといった悪評が絶えなかった。
それに、やっぱりライブの現場は、空気の振動の迫力も、ファンも一体となって作り上げる現場感も、そこにメンバーがいるという臨在感も、現場ならではの部分が大きくて、DVDでの鑑賞は数段落ちると見なされてもいたと思う(他ならぬ私がそう思っていた)。
しかしながら、最近のハロプロのライブDVDは、こうした通弊から脱している。

Berryzも

たとえば、Berryz工房の2014年春ツアー「リアルBerryz工房」のDVD。

このDVDでは、舞台後ろからのショットなど、アングルにも凝り、同時に全体を見渡せる構図も多く、非常に工夫された編集で、そうしたライブの臨場感をできる限り伝えている。
DVD収録の3月3日のTokyo Dome City Hall には、私も参加していたのだが、当日のBerryz感を可能な限り劣化させずに伝えていると感じられる。
ラストの曲で、鼻の頭を真っ赤にしている熊井ちゃんが、ちゃんとフォーカスされてもいるし。

℃-uteも

また、たとえば、つい先日発売されたばかりの、℃-ute 2014年春ツアー「℃-uteの本音」のDVD。

DVDとしての編集がすばらしく、現場の臨場感だけでなく、個々のメンバーも全体も過不足なく見せるスイッチングが、刻一刻と切り替わる画面が、ライブの流れを、歌割りの切り替わりを自然に追跡していることに、正直なところ、驚く。
DVD収録の6月29日、パシフィコ横浜に、私もいたわけだが、現場では気付けなかったことに、このDVDを見て気づいたことがある。

舞ちゃんとなっきぃ(中島早貴) のポールダンス、5人のイスを使ったパフォーマンス、いつにも増して露出の多い衣装など、一部で賛否両論あった今般の春ツアーだったが、その賛否が、じつはメンバーまで伝わっていたことが明らかになるラストのMCで、舞ちゃんが泣いてしまうところ、そんな舞ちゃんを見つめながら目に涙を湛えている なっきぃの美しいことといったら!
(※ このMC自体は、そんな感動的な雰囲気を、曲名を間違えることでだいなしにする舞美ちゃんという℃-uteらしい顛末)

可愛いばっかりかと思っていた なっきぃ の落ち着いた美しさに気づくや、ライブDVDの編集について、もっといろいろ思い至ることが出てくる。

もちろん、モーニングも

たとえば、同じく2014年春ツアー、モーニングの「エヴォリューション」のDVD。

もちろん、DVD収録が行われた5月5日に聖地、中野サンプラザには参加していたが、たとえば、何故か終始ニヤニヤしていて、自分がここにいることが嬉しくてしかたない様子の石田さんがフォーカスされていたりする。
「愛の軍団」で、斜め一列に整列したフォーメーションから、鞘師ちゃんと石田さんがズダッ!!って飛び出してくるところ、つまり「見せ場」だったりするところに漏れがなく、一方、後列上等というエリポン会長(生田衣梨奈)など、正面から見ているだけではなかなかわからないメンバーの迫力ある場面なども追っていたりしている。

メンバーの、その魅力を、過たず的確に捉えた上での編集が施されていることがわかる。

スタッフの信頼

ライブのDVDでは、メンバーの魅力が過たず正しく把握された上で 、その編集がなされている。

このことは、ひなフェスのライブDVDで、あまりにも明らかだと思う(当然、私はフル参戦)。

今年のひなフェスでは、正面の舞台の他に四つのステージが設けられ、メンバーは五つのステージを縦横に駆け巡りながらパフォーマンスした。このDVDでも、限りなく現場に近づけるべく、様々なアングルからの画像が縦横に編集されている。
これは、後ろからも横からも、どこからでもメンバーが見られるということで、本来の組み上げられた正規のパフォーマンスが崩れているということでもある。

けど、同時に、「うちらのメンバーは、どこから、どう見られても、大丈夫」というスタッフ側の自信すら感じられる。

メンバーの魅力、それが正しく編集側に把握されているということは、メンバーのパフォーマンスに、メンバーの魅力に、編集スタッフ側が自信を持っているということなのではあるまいか。スタッフが、メンバーを信頼しているということなのではあるまいか。

 古い話:謎の場面とその伏線

古い話になる。

モーニングの6期(亀井絵里、道重さゆみ、田中れいな)が、亀井さんの卒業にあたって、沖縄に行った際のこと。
このときの模様は、DVD「ハロハロ! 〜Memories〜モーニング娘。 亀井絵里・道重さゆみ・田中れいな -Making DVD Special Edition-」に収録されている。

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6期の加入当時の思い出をたどるように、亀井さんの卒業をひかえて、3人で再訪したって体裁でのDVD。ここに、一見すると意味を汲み取りにくい場面がある。

ホテルの敷地での撮影を終えて、3人が次の撮影にと市街地へ向かう途中、広々とした公園にさしかかった場面。なんか良い感じの枝振りの巨木を見つけ、登ったりして遊ぶことに。そこで、亀井さんが、ひょいっと「ワ~イ、エム、シ~エ~♪」とか口ずさみ、それに対して道重さんが、なぜか比較的強めな感じで「やめてよ~~!」と嫌がるシーン。この謎なやり取りは特にオチもなく、そのまま場面が切り替わってしまう点でも、一層謎な場面。

しかし、これにはちゃんと伏線がある。当時、スターデジオのラジオで、時期限定で『モーニング娘。の再び私たちの時代がやってきた』という特別プログラムがあり、沖縄ロケに先だって、6期の3人がパーソナリティの回で、次のようなやり取りがあったのだ。

何かの拍子で道重さんがわりと真っ直ぐな正論を述べて、それに対して れいな が「すばらしい!。す・ば・ら・し・い♪、ワ~イ、エム、シ~エ~♪」とか歌い出す。亀井さんもそこにのっかって、次のフレーズにさしかかろうとするや、実は道重さんがその先の歌詞を知らないことが明らかになる。それからの3人の会話で、道重さんは、さんざんにからかわれる。
「これ、さゆの弱点やけんね」(by れいな)とか、「このひと(道重さんのこと)、むかしの歌とか知らないんですよ」(by 亀井さん)とか。

当時、6期のトークでは、なぜか れいな に強い亀井さんが れいな にツッコんだり、亀井さんがボケっぷりを発揮したり、どんな具合にトークが転ぼうが、どんなときも、基本的に道重さんは、その時々のツッコミ側にまわるか、場を納めるか、オチをつけて話題を流すっていう「仕切り」役にまわることが多かった。けれども、そのラジオでは、 れいな と亀井さんの2人から、一方的に道重さんがツッコまれるという珍しい展開となり、「やめて、もう、さゆみ、ワァ~~ってなっちゃうからっ!」と、珍しく道重さんは嫌がっていたのだった。

そういうラジオでの一幕が伏線であっての、沖縄での上述のやり取り。
ラジオでの一幕を知らなければ、意味がわからない謎の一場面。

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どうしてそんな場面が商品に残されたのか

DVDを編集したスタッフは、この些細なやり取りをカットしなかった。
亀井さんと道重さんの、それだけを取り出したら謎としか言いようがない短いやり取りを残して、そのまんま、DVDは発売された。

スタッフは、それに先立つ伏線があっての、この一見すると謎なやり取りの「おもしろさ」を、ちゃんと理解していたのではあるまいか。

さらに重要なことは、そのまま発売されたということ。
この「ハロハロ! 〜Memories〜」DVDを買ってくれるようなファンならば、このやり取りの伏線をちゃんとわかってくれるだろうと、そうスタッフは判断していたのではあるまいか。

若干の飛躍を自覚しつつ、自分たちが信頼しているメンバーの、その魅力を知って応援しているファンならばと、収録・編集にあたったスタッフが、(メンバーへの信頼を前提に)ファンを信頼してくれたのではあるまいか。ファンの目線を信頼していたのではあるまいか。

スタッフの愛

全部含めて、私には、どうしてもスタッフ側に「愛」があるようにしか見えない。

ツアーの舞台裏の密着など、それこそ密着しているからには、いろんな場面にスタッフがいたはずだ。メンバーが失敗したりして悔しくて泣いている場面。あるいは、スタッフさんに叱られている場面。メンバー同士で言い合いになったりしてる場面などにも密着しているはずだ。
常に密着していることから、あるいは時にはスタッフ側からの企画などをメンバーに持ちかけていることから、時にはメンバーから五月蝿がられる時だってあるだろうと思う。

そうしたすべての場面がカメラに収められながら、結果、編集されて私たちの手元に届くDマガやライブDVDでは、見る者の心を癒す天使のようなメンバーの笑顔が選ばれ、切り取られて、収められている。

もしかしたら、メンバーたちの努力と汗と涙と、そして笑顔を、ずっと身近で見続けているスタッフこそが、私たちよりも先に、むしろ真っ先に、メンバーのファンとなるのではないか。

ハロプロのDVD(市販のものも物販Dマガも)を見ていると、こうしたスタッフによるメンバーへの愛情を強く感じる。

ファンへの信頼

そうした愛情に基づいて切り取られた様々な場面。

「おまえらなら、この場面が魅力的だって、わかるよな?」と、スタッフから言われているように思う。メンバーへの愛情に裏打ちされた、ファンへの信頼。ハロプロのDVDを見ていると、そんなものまで感じてしまう。

そう、メンバーだけじゃなく、私たちまで愛してくれているかのようだ。

(文=kogonil)

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“最近のハロプロ関連DVDに見る、名編集と映像スタッフの愛” への3件のフィードバック

  1. avatar アライブ名無しさん より:

    このブログも負けないくらい愛に溢れてますよ

  2. avatar アライブ名無しさん より:

    とても観やすい映像になってると思います。
    ただ、希少価値の高い生田の前転が何故かステージ後方からの引き映像だったのには空いた口が塞がりませんでした。

  3. avatar アライブ名無しさん より:

    kogonilさんの記事も面白かったです!
    私は新規ファンなので、昔からの流れや細かなエピソードをもとにした考察を読めるのが嬉しいです。

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