安易に「滑り芸」などと擁護してはいけない
「爪あと残したな」とかいいんですよ、そんなのは。デビュー直後の新人アイドルなんて、フレッシュさと可愛さが印象付けられればいいんだから、別に奇をてらわなくて良い。
思えばこの事務所は、こういう外部メディア戦略でことごとく失敗してきた。
テレビ出演時の放送事故といえば、伝説的なのは元スマイレージ前田憂佳の『整い前田事件』だろう。※
その後の言動から、前田憂佳の「ダジャレキャラ」は本人の希望や嗜好ではなかった可能性も指摘されている。福田花音の「シンデレラの生まれ変わり」キャラも失敗だったし、そもそもスマイレージはキャッチコピーである『日本一スカートの短いアイドル』も最初から最後まで完っ全に滑っていた。なんでも日本一を付けさえすればいいってものでもない。
キャラ付けで滑ってもやり続けて成功したのは、嗣永桃子の「ももち」という特異なキャラクターぐらいだが、あれは本人が事務所やつんく♂に反対されてもやり通した結果であると語っている。例外的な存在なので余人をもって真似できるものではない。
「スベリ芸」という言葉があるが、それが成立するのは『ガキの使い』の『山ちゃんやめへんで』のように、
- 予め滑ることが期待されている
- 滑りすぎて逆に面白い
- 周囲が滑ることを事前に知っておりフォローやツッコミが出来る
といった状況でのみ成立する難度の高い特殊な「芸」であって、素人(アイドル含む)が滑ることを安易に「これは滑り芸だから」などとフォローして甘やかすのは、ためにならないと思う。
しかもこの動画は、「整い前田」のように、流れでぶっこまれたものではなく、「似てないじゃない」などのセリフでカメラが切り替わってアップになっていることから分かる通り、事前に台本が用意されていて、カメラやディレクターとも共有されていたことが分かる。それが事務所が用意したものなのか、PON!側が用意したものなのかは分からないが、普通に考えて番組側がここまでお膳立てしないだろう。
近年、UFPはマネジメントの一部を大手広告代理店に委託して、プロモーションや衣装など色々なところに工夫や改善が見られるようになった。
願わくば、こうした発言やキャラ設定についても、ちゃんとブレーンとして放送作家を付けて、放送事故を回避できるようにしていただきたいものである。
(まあ、事故になったらなったで「整い前田」や「一人ボーノ!」や「親子丼おいどん西郷どん」みたいに語り草にしてネタにできるからいいっちゃいいんだけど。)
つまり結論としては、「ちゃんと放送作家を付けて面白いコントが披露できるようになろう」ということで。
…いや、違う!間違えるところだった。作家は必要だけど、アイドルは別にコメントで面白いことして笑いとか取らなくていいから!無理しない自然なキャラクターとかわいい笑顔で魅了してくれればそれでいいから!
(さらに誤解のないように言っておくと、道重や嗣永のようにフリーで立ち回れるなら話はまた別である。)