ハロプロリーダー人事をめぐるBerryz工房 嗣永桃子のファインプレー

プロデューサーや事務所の意図を越えてハロプロの理想を体現してしまった生ける伝説、道重さゆみさんが卒業するにあたり、空席となったハロプロリーダーに℃-uteの矢島舞美さんが指名されたのは旧聞に属する。しかし、その際、目立たぬところで感服するしかないファインプレーがあったことを明記しておきたい。

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誰が次のハロプロリーダーになるか

道重さんの卒業が発表され(私を含む多くの同志が人生を見つめ直し)てから、では、いったい誰が次のハロプロリーダーになるのかということは、すぐに話題となった。

従来、モーニング娘。のリーダーがハロプロ全体のリーダーを兼任していたので、その慣例からは、道重さんの次のモーニング娘。リーダーとなるであろうメンバーが、ハロプロリーダーということになる。だがこれには、ネット上で、早々に違和感が出た。「大丈夫なのか?」や「若すぎる」など、いろいろ違和感の理由は挙げられたけれど、ぶっちゃけハロプロリーダーに特に大きな役目がないことは多くの者が了解している点で、それらが本当の理由であるというわけではないようにも見えた。
こうした「なんとなくの違和感」には、すでに10年を越えるキャリアを持ち、その魅力で今現在のハロプロを鮮やかに彩ってくれているベリキューの存在があったことは確かだと思う。

はっきり明言されたことはないが、なんとなく年功序列、といった感のあるハロプロであってみれば、順当に次のハロプロリーダーとなるべきは、Berryz工房の清水佐紀さんだっただろう。
グループとしても、℃-uteよりデビューが早いし、℃-uteの矢島舞美さんより誕生日も早く、一足先に一歳歳を取ることもあって。

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事実、当の清水佐紀さんも、モーニングの若い子がなるくらいなら自分がやります!と声をあげていた。佐紀ちゃんがこんな具合に声をあげることは珍しいことで、「で、誰にするよ?」という話題が、外から見ているファンの間だけでなく、内部でも一定のザワザワ感を醸し出していたであろうことを推測させた。

しかし、そんな中、8月2日に、2015年の春でBerryz工房が無期限の活動停止に入ることが発表されてしまう。

舞美ちゃんが指名されて、さあ困った

慣例にしたがってモーニングの次期リーダーがハロプロリーダーとなるのか。それとも慣例は最年長者ということであって、順当にBerryzの佐紀ちゃんがハロプロリーダーとなるのか。でも、Berryzは活動停止するって言っちゃってるしなあ・・・と、ますます混迷を深める「誰がハロプロリーダーになるのか」問題。

「活動停止までに冬のハロコンもあるから、それまでは佐紀ちゃんで良いんじゃないか」との声もあったが、結局は、みなさんご存じの通り、℃-uteの舞美ちゃんが、次期のハロプロリーダーに指名された。

あくまで想像でしかないが、これは困ったことになったと思う。

「若い子がなるくらいなら、私がやります!」と言ってしまった佐紀ちゃんも。
佐紀がそう言い出しているのに自分が指名されてしまった舞美ちゃんも。

清水佐紀さんは、「くっそー!くやしい!!」とも言えない。
良きライバルにして、すばらしい同期であり仲間であるBerryzと℃-uteの関係は、麗しく、見ている者を和ませるものであり、実際には仲良しであるに違いないのだが、それでも一筋縄ではいかないものがある。同じハロプロキッズから一足先にBerryz工房がデビューしたことを、℃-uteメンバーが悔しく思っていたことはあちこちで公開されている。また逆に、2012年から2013年にかけての℃-uteの大躍進に、Berryzの側が焦ったことも、当の清水佐紀さんが表明してもいる。仲良しでありながら、事実、互いにかけがえのない仲間でありながら、自分たちのせいではない部分で、なかなかに微妙な関係にあることも事実だった。
「くっそー!くやしい!!」と言ってしまっては、矢島さんが困る。と、清水さんもわかっている。
だからといって、「若い子がなるくらいなら、私がやります!」と言ってしまったせいかどうか、「舞美、おめでとう」ということも、すぐには佐紀ちゃんから聞こえて来なかった。

矢島舞美さんは、「やったー!うれしい!」とも、「緊張しますが、がんばります!」とも言えない。
ましてや、「佐紀をさておいて自分なんかが、ごめんね」とは口が裂けても言えない。
何を言ったところで、(実際にはそんなことは微塵もなかったとしても)どうしても、清水さんに対して微妙な遺恨が残るようなことにしかならない。

当人たちは、むしろお互いを思い合うからこそ、外野の観測を気にするからこそ、何を言っても微妙な空気が流れるような情勢になってしまった。

モーニングの譜久村さんや飯窪さんも、もしかしたら忸怩たるものがあったかも知れない。そんなものはなかったとしても、やはり、この件についてはコメントの出しようがなかったのではないか。
こうした空気を読ませたら天下一であり、立場的にも経歴的にも、この裁定に持ってこいであるはずの道重さんも(ネットパトローラーであるからには、おそらく全部の事情を把握していたであろうが)、自身の卒業が関係しているだけに、もしこの件にコメントするなら、相当な技を要するところだっただろう。

ももち こと嗣永桃子プロの大ファインプレー

℃-uteの矢島舞美さんが次期ハロプロリーダーに指名されたことで、いったい誰が次のハロプロリーダーになるのかということは落着した。
けれども、誰のせいでもなく、誰が悪いというわけでもなく(ネット上の観察者たちだって、ハロプロを愛すればこそ、この件に関心があったわけで)、そのことについてメンバーがコメントするには危険すぎる情勢がなんとなく醸し出されてしまっていた。

それを救った者こそ、Berryz工房の嗣永さんだった。

嗣永さんは、2014年10月8日の自身のブログで、次期ハロプロリーダーに自分がなりたいと周囲にアピールしていたのに舞美ちゃんが指名されてしまったことをボヤき、「こうなったら影のリーダーをめざすしかないな」と記している。

これは、すばらしいファインプレーだと思う。
自分をボケて、自分が泥をかぶることで、「もー、ももちったら、何言ってるのよ」と笑い飛ばすことで、清水佐紀さんも、矢島舞美さんも、救われた。
膠着状態に陥って、誰も迂闊に次の一手を打てない場面で、自らを道化者とすることで、全体の空気を救った。

ももちがリーダーになりたがっていたけど誰にも相手にされなかった・・・という一拍を挟むことで、矢島さんが次期リーダーへの豊富と緊張を不安を語っても、清水さんへの(無用かもしれない)配慮を過度に慮る必要もなくなった。実際、Berryz活動停止までは2トップで、ライブ前の声出しも冬のハロコンでは交代で、みたいなことを言ってもいる。
清水さんも、自ら声をあげての空回った感を、ももちが目の前で盛大に空回ってくれたおかげで、目立たないものにすることができた。

誰もができることではない。
他にできるとしたら道重さんしかいなかったが、この段階で、コアなファンを越えて「女神様」「聖者」と公認された立場でもあり、自身の卒業が関係することでもあり、関与が封じられたようなものだった。
自分から泥をかぶりにいって、自分が汚れ役を引き受けていって、結果として、全体を救う。
嗣永桃子さんの会心のファインプレーと言って良い。

思えば、Berryzの現場でも、必ずしもトークが得意ではないメンバーのMCに、無理矢理絡みに行っているようでいながら、上手なパスを出していたのも、ももちだった。現場でいろいろメンバーがミスをしても、それを面白可笑しく拾って、結果として、ミスしたメンバーを救っていたのも、ももちだった。バラエティの現場で、共演者からうるさがられ疎まれているようでいながら、共演者へのツッコミどころを準備していたのも、嗣永プロだった。
さらに思えば、℃-uteの大躍進に焦りを表明した清水佐紀ちゃんが、Berryz工房の副キャプテンとして夏焼雅さんを指名した際も、指名された当の雅ちゃんをも、指名した佐紀ちゃんをも、そして指名されなかった他メンバーをも、微妙な空気から救ったのは、ももちだった。

この「私がリーダーになりたかったのに」というボケは、佐紀ちゃんも、舞美ちゃんも、そして、佐紀ちゃんや舞美ちゃんのファンであるがゆえに成り行きをハラハラしながら見守っていた多くのファンをも救った、嗣永桃子さんの大ファインプレーである。

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この、誰もができるわけではないパス出しの技をもって、自分が泥をかぶることで他を活かすというその心をもって、嗣永さんは、カントリーガールズのプレイングマネジャーに就任した。
若い後輩たちを、ももちこと嗣永プロが、どう導いてくれるのか、楽しみにしていたいと思う。

(文=kogonil)

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“ハロプロリーダー人事をめぐるBerryz工房 嗣永桃子のファインプレー” への20件のフィードバック

  1. avatar アライブ名無しさん より:

    泣いた赤鬼思い出した

  2. avatar アライブ名無しさん より:

    ももちはただおいしいネタに乗っかっただけのような…乗っかりブログ大好きだしw
    まあ結果的に一部のファンのピリピリムードを和らげたよね

  3. avatar アライブ名無しさん より:

    めちゃイケで茉麻が弄られた時もフォローしてたよね

  4. avatar アライブ名無しさん より:

    ドワンゴさんのインタビューより~
    清水佐紀
    「モーニング娘。の中から誰かを選ぶ…ってなるんだったら、わたしがやります。℃-uteの舞美がやるとかなら、同期だし舞美はしっかりしているしなって思えるけど、先輩としてのプライドがありますので。」

    上記のコメントの後半部分を削ってネタにしてしまっては、この記事しか読んでない人に誤解を与えかねませんよ。
    決して清水さんの空回りなのではなく、自ら立候補するような性格じゃない℃-uteリーダーへの置き土産なのではないでしょうか。
    もし事務所が通例通りにモーニング娘。から選んだらどうしようと危惧した上での発言だと思います。(きっとこの頃には、無期限活動停止に向けて動いていたのではないかと……。)

  5. avatar アライブ名無しさん より:

    コメントしようと思ったら4で書かれてた。
    キャプテンはまいみか私がやります、って言ってただけだし
    すぐにおめでとうとも言っていた。

    一言だけで記事を書くのはどうなのかなと思いました。
    偏向報道みたいな印象を与えてしまって誰も得しません。

  6. avatar アライブ名無しさん より:

    同い年のベリお姉さんズに対する感情は
    同期、同い年という仲間感というより
    依存心に近いものを感じます。

    リーダーという立場の℃の中では
    見せられない感情なのでしょう。

    どんな形であれ桃子がハロに残ってくれそうな事でまず一安心
    あとは絶対の信頼を置いている清水さんが身近に居てくれれば、

    て事なんでしょうね。

  7. avatar アライブ名無しさん より:

    うーん・・ももちは確かにそんなところがあるけど、佐紀ちゃんについては認識違いがあるような気がするなぁ
    まあ、ももちの気遣いを際立たせるためにはこういう書き方になるんだろうけど佐紀ちゃんは若い子の負担にならないように娘。在籍にこだわらず年長から選ぶべきと示していただけじゃないかな・・
    実際に舞美ならって言ってるし、自分じゃなきゃ嫌だなんて全く言ってないからね

  8. avatar アライブ名無しさん より:

    ももちって困ってる人に素早く気付いて楽しい感じにフォローするのがほんと上手。ももちがハロプロに残ってくれて舞美ちゃんはほっとしたんじゃないかな。一人だけ年上でハロプロリーダーで…ってすごく重いはずだから。

  9. avatar アライブ名無しさん より:

    ℃-uteの躍進というのは、最大勢力のモーニング娘。DDが武道館を目指す℃-uteに力を
    貸していただけだったという事実を語る人がいないのがおかしく感じます。
    今年に入っての℃-uteのチケットの取りやすさは誰も報じない。
    メンバーも全部売り切れにすると豪語したのにほとんど売り切れず、転売屋から見放されて、
    おそらく今後もガラガラ祭りは続くでしょう。
    そんなグループでトークがまったくできない℃-uteの矢島をリーダーにするなんて
    さらに℃-uteにDDがいかなくなりそう。

    もう一つの問題は℃-uteの矢島の道重化問題が進みそう。
    矢島にだけスポットが当たり、現在矢島が一番人気ではありますが、
    鈴木愛理の凋落が止まらない状況で3バカも相変わらずで、矢島一極集中になりそう。

    ℃-uteの弱点が歌とトークというテレビ的には残念なグループであるというのに、
    パフォーマンスがナンバーワンとかふれまわってしまったのは非常に痛い。

    ももちのファインプレイなんていうのは違って、ももちの℃-uteへの抵抗と考えたほうがいいと思う。

  10. avatar アライブ名無しさん より:

    この時点で既に解散を話し合ってたんだから、ただのマイクパフォーマンスみたいなもんでしょ

  11. avatar アライブ名無しさん より:

    佐紀ちゃんの発言は間違いだけど
    桃子がいろいろ察して動いてくれていたのは皆わかってるよ
    昔から感の良い子でしたよ
    まさかここまでハロから出てのバラエティでも使える程に
    しっかりしていたとは思わなかったけど

  12. avatar アライブ名無しさん より:

    ※9
    痛すぎるねあなた
    ここ2ちゃんと違うから巣に帰りな

  13. avatar アライブ名無しさん より:

    ※9みたいな痛い人の意見じゃなしにある時期からのキュートの猛プッシュと
    その狂騒の収束は分析する価値があると思う

    あと多くのハロヲタが見て見ぬふりしてるある時期からのベリーズの放置っぷり

  14. avatar アライブ名無しさん より:

    ベリキューは外野がとやかく言えるレベルなんかじゃないでしょ。こんなアイドルグループ後にも先にも無いはず。ももちはBerryz工房でもベリキューでも優秀なバランサーですね。

  15. avatar 宮元 望太郎 より:

    色々ご意見はあろうかと思いますが、特定のコメント投稿者に対して精神疾患や障害その他の病名等のレッテルを貼って論難するのはお止めください。
    論旨以前のマナーの問題ですので、そうしたコメントは非表示とさせていただきます。

  16. avatar アライブ名無しさん より:

    キャプテンは私か舞美っていう言い方だったけど発表後公に祝福したハロメンが一人だけだったのもあって内部でも微妙な空気だったろうなとは思いました
    だからももちのフォローは適切だったなというのは同感です

  17. avatar アライブ名無しさん より:

    嗣永桃子が上手く笑いを取って、矢島舞美の緊張を和らげたことは当たってるかもしれないけど、それ以外は関係なくないですか?

    この投稿者の記事はいっつもこう。単に主観的な思い入れ、と言うより思い込みだけで書くので、説得力がないし読後感が悪い。
    ベリヲタってこんな風に盲目ばっかりで、だから徒に新規の参入障壁と化してベリーズをダメにしたんだろうがと思われても仕方がない。

    管理人さんの、ハロプロ愛が溢れつつも読み手の立場に立った筆力を少しは分析した上で文章を書くことから始めては如何か。

  18. avatar アライブ名無しさん より:

    ※17
    むしろこの投稿者のノリってベリヲタっぽくはないよ
    なんかベリーズってこういう熱い思い入れをぶつければぶつけるほど
    素っ気なくかわしていくようなグループだしね

    だから昨今のアイドルブームにおいて物語性にどっぷり浸かりたい系の
    人達からは対象外にされちゃったわけ

    これはベリキューの友情物語でも何でもなく(友情は友情として別ね)
    嗣永さんの美味しいネタの一つでしかない
    きっと来年の冬ハロの取材では新ハロリーダーが全く目立たないくらい
    このハロリーダー立候補→落選の茶番をアピールするから

  19. avatar アライブ名無しさん より:

    ※18
    あー確かに。ファンの思い入れとは別軸で、ひたすらエンタメを提供する人たちだもんな。
    それでも敢えてベリヲタが思い入れを込めてベリに物語性を読み取ろうとすると、
    即座に空想的な同人臭が漂うんだよねぇ。みやももssとか、ちなももとか。

    ただ、嗣永桃子というアイドルは、時に計算、時に偶然に、自身の素材を生かした二面性のギャップでもって、多くの人を惹きつけてきたひとだから、どーしても物語性を帯びてしまう傾向がある。(しかし、クールでズボラでサバサバしたドSな面も容赦なく見えてくるから、物語は裏切られやすく、桃ヲタは長続きしにくい)

    個人的には、佐紀ちゃんを救った、というより、自らがネタにすることで、話題に上る機会を増やそうとした、舞美への援護射撃、だと思う。

    リーダーに立候補ネタは、桃子が10年徹底してやり続けてきた、定番のネタだから。

  20. avatar アライブ名無しさん より:

    キッズのここまでの物語を要約するとこうなる。

    ハロプロキッズの中に嗣永桃子という逸材が紛れ込んでいた事
    誰に何と言われようが自己を貫き通して世間に名を成した事
    それが故にベリメンも自己に目覚め活動停止の道を選んだ事

    ここ迄はほぼ天才桃子の独壇場。

    ただし、グループとして名を成す可能性が残されている℃は勿論、
    残るベリメンが嗣永桃子に匹敵する存在になれないとは誰も言い切れない。

    物語の続きを期待して待ってるよ。

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