旅立つ者あり、旅立ちを惜しむ者あり、参入する者あり、迎える者あり(ハロプロDマガ Vol.44)

2015年が明けまして、早々の2日より、中野サンプラザにて、恒例のハロー!プロジェクトのコンサートが行われてます。(みなさま、おめでとうございます)

年明け早々、遅々として進まぬ物販列に「このままですと開演に間に合わない可能性があります。あらかじめご了承下さい」のアナウンスが響く中、せっかくここまで並んだのだからという葛藤と闘うファンの姿(含む私・・・かどうかは秘密)を眼にすることができるだけでなく、「新年早々、いい歳をした大人が他にすることないのか」と問われれば、「これよりも大事なことが他にあるのか」と問い返すのも、恒例行事ですね。

DVDマガジンvol.44

もちろん恒例のDVDマガジンも発売。
この、ハロー!プロジェクトDVDマガジン Vol.44 は、ハロプロ女子会と称して、メンバーがグループの垣根を越えて数名ずつフリートークを繰り広げる企画で、冬のハロコンの現場e-Line upの通販などで入手できます。

ネタばれを回避するため具体的な内容は書けないですが、このDマガは、“たすきを渡す”(「雨の降らない星では愛せないだろう?」より)ハロプロの在り方が実に鮮明になった、すばらしいDマガなので、入手可能なうちに、少しでも多くの人に入手して欲しいと思うのです。

意図してかどうか、明確に示されたコンセプト

女子会という設定で、メンバーが数名ずつワチャワチャする企画。
楽しそうに話す舞美ちゃんがあまりにも嬉しそうだったり、そんな具合に話されるエピソードの一々が「舞美ちゃん、大丈夫か?」と思わずにはいられないものだったり(Disc.02)、今日も美人すぎる熊井ちゃんが、ずっとモフモフなクッションをサワサワしてる姿が可愛すぎたり、ちゃんとトークを切り回している千奈美ちゃんのナチュラルな責任感だったり(Disc.01)、熊井ちゃんも なっきぃ も、場の中心トークから、半歩身を引いた感じでなんとなく聴いてるような様子だったり……ベリキューが好きすぎる私にとっては、どうしてもベリキュー12人の愛らしい姿に注目しがちですが。

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しかしながら、このDマガにおいては、モーニングの9、10、11期のスタンスこそが見物です。
もちろん、ゲームの流れで激しいバナナの物まねを披露しているズッキだったり、懸命に場のトークに絡もうとしつつ、結局、ナチュラルにハブられるエリポン会長だったり、ちゃんと会話のキャッチボールをしているようでありながら、こそここで地味にスベっている石田さんだったり、各自の持ち味を、自身も周囲も把握して上手に活かしている様子も刮目ですが、新メンバーを迎えての、先輩メンバー、とりわけモーニングの既存メンバーのスタンスこそ、見物です。

参入する者あり、迎える者あり

すでに旧聞に属することですが、2014年から2015年にかけて、新グループあり、新メンバー加入ありと、ハロプロには新しいメンバーが一気に参加してきました。

カントリー・ガールズ

新グループとして良いのかどうか、「カントリー娘」改め「カントリー・ガールズ」には、プレイングマネージャーとして嗣永桃子さんが就任し、新メンバーが発表されています。私自身、自分の心が信じられないでいるのですが、正統派美少女の「山には木がある」(by 岡井ちゃん)山木梨沙さんには大注目ですよね。そんな「カントリー・ガールズ」について、「Disc.01」のラストでは、メンバー紹介も兼ねて、嗣永プロによるコミカルな応答が収められてます。

経験の浅い後輩を前にして、Berryzであったならば、ここで絶妙のツッコミが期待できるところだというネタふり(たとえばコールで「ももち」と呼んでもらえないという自虐など)にも、するっとノーリアクションなまま、上手に話題を切り替えて行く嗣永プロの技量にも着目ですが、やはり、思ったようにはリアクションが返ってこない中、さすがの嗣永さんも、トークを回すのに苦労している様子も見えます。

が、そんな中で、研修生出身の山木さんと稲葉さんが、嗣永先輩を、それでも懸命にサポートしようとしていることが印象的なパートです。

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モーニングとアンジュルム新メンバーお迎え

スマイレージは、アンジュルムと改名し、3名の新メンバーを迎えたし(佐々木莉佳子、室田瑞希、相川茉穂)、モーニングには、秋ツアー武道館で9/30にお披露目された12期メンバー4名が加入しました(尾形春水、野中美希、牧野真莉愛、羽賀朱音)。

スマイレージ改めアンジュルムの新メンバーとモーニング12期の新メンバーは、先輩たちに混じって女子会設定に挑んでいます。
佐々木莉佳子さん(アンジュルム新)は野中美希さん(12期)と一緒に、和田さん、くどぅー、まーちゃん、だーいしの組で。
尾形春水さん(12期)、羽賀朱音さん(12期)は、かななん、めいめい、鞘師ちゃんの組で。
室田瑞希さん(アンジュルム新)は、エリポン会長、小田ちゃん、まろ、りなぷーの組で。
牧野真莉愛さん(12期)と相川茉穂さん(アンジュルム新)は、はるなん、ズッキ、フクちゃん、竹ちゃんの組で。

お気づきの通り、新メンバーはモーニングとアンジュルムの先輩メンバーと組まされています。これが意図してのことなのかどうか、次に述べるような効果を産んでいます。

女子会という設定でワチャワチャするところから各メンバーの個性を際立たせようという企画ながら、やはり新メンバーは慣れないこともあり、先輩たちとの絡みもほぼ初体験であることもあり、やはり借りてきた猫状態で、先輩からいろいろと話題をフられても、今ひとつ返せないどころか、あんまりお返事もできないままニコニコとしているだけで精一杯な様子です。
そんな新メンバーを前にしての、先輩メンバーたちの頑張りに、思わぬ衝撃を受けたことを、告白しなければなりません。

先輩になったモーニング9期、10期、11期

読むべき空気のとっかかりを探すことに懸命な新メンバーを前に、自分たちが前に出るよりも、新メンバーにできるだけ話をフってあげるモーニングの先輩たち。新メンバーから何かしら反応があったら、上手に広げられなくても、それを出来るだけ拾ってあげるモーニングの先輩たち。

すっかり仕切り役を自認してもいるのか、場を回しまくる工藤遙さんの仕切りぷりに刮目です。何かとはっちゃけ気味の かななん と めいめい を過度に抑制することなく、上手に新メンバーにも話をフってあげている鞘師ちゃん。

ここで、どうしても思い出すのが、もう4年も前になる2011年の道重さん仕切りのUstream配信。
加入して間もない鞘師ちゃんと工藤さんが、道重さんや愛理さんから話題をフられながらも、ニコニコしているだけで精一杯だった様子、話を広げることや次の流れにのせるといったやり取りに無頓着なまま、自分のエピソードを話すだけで精一杯だった様子は、『道重さゆみのモベキマスってなに??』のDVD③に収められています。

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そんな工藤ちゃんも鞘師ちゃんも、今では、ちゃんと他のメンバーにも配慮しながら、しっかり新メンバーをサポートしています。
もちろん、まーちゃん も、好き勝手なおふざけに終始することはないし、ズッキはきちんと新メンバーに絡みにいくし、小田ちゃんはカラ回るエリポン会長と新メンバーの間を上手につないでいます(小田ちゃん、この双方の見せ場を作ること、ほんとに上手です)。

トークの名手で、きちんと笑いを取りながらメンバーの魅力を自然にアピールすること。
このことに最も長けていたのは、昨年11月26日をもって卒業した、いまや女神と崇められている道重さゆみさんです。そんな道重さんが卒業した後のモーニングを危ぶむ声も、ないではありませんでした。
しかし、そんな心配は無用だったようです(← 実は、ちょっと泣くのを我慢してるのです)。
いつのまにか、モーニングの9期、10期、11期が、アンジュルムの かななん が、めいめい が、ちゃんと周囲にいろいろ配慮しつつ、しっかりトークできるようになっていました。

新メンバーのお披露目という色合いが濃い、このハロー!プロジェクトDVDマガジン Vol.44ですが、意図してなのかどうか、新メンバーそのものよりは、これまでなかなか気づけなかった既存メンバーの成長が、新メンバーを迎えて顕わになっています。

旅立つ者あり、旅立ちを惜しむ者あり

新メンバーが加入してくる一方で、ハロプロから卒業していくメンバーもいます。
先だって卒業していった道重さゆみさんも(このエンタメアライブにも、何度も投稿しようとしながら出来ずにいます。思いが溢れすぎて、どうしても、とっちらかってしまうのでした)。そして、今年の3月3日で無期限の活動停止がアナウンスされているBerryz工房も。

道重さんの名前が

後輩たちを迎えて、流れが崩れてしまわぬように一生懸命な中、まーちゃんは「みにしげさんにもらったものを、おすそわけしなきゃいけない」という趣旨のことを言います。(まーちゃんと石田さんは「道重さんに〆られた」といった不穏な発言もしていますが:笑)

まーちゃんだけではなく、石田さんも、鞘師ちゃんも、トークの流れの中で「道重さん」の名前を出しています。道重さんによくしてもらったから、だから私も、という趣旨で。
上述のとおり慣れない新メンバーを前にして、自分が先輩として頑張らなきゃいけないという場面で、まーちゃんや鞘師ちゃんが、卒業していった道重さんの名前を自然に出していることには、個人的には、当人たちが意図しているような ”道重さんによくしてもらったから、だから私も” といった以上のものがあるように思います。

道重さん、道重さんが残してくれたものは、ちゃんと後輩たちの中に根付いているようですよ。

佐紀ちゃんと舞美ちゃん

千奈美ちゃん、愛理さん、梨沙子さん、(そして今日も美人な)熊井ちゃんのパートでは、キッズ時代の懐かしい話に4人が興じています。
それは女子会ワチャワチャ風の企画意図に正しく乗っかっただけかもしれませんが(このメンバーなら、基本、ほっとけばワチャワチャするわけですが)、別のパートでは、岡井さんも雅ちゃんも、「懐かしい」であったり「13年いる」といった話題に触れています。「口先だけで、結局、プライベートでは遊ばない」とか(笑)。そして、自分たちベリキューにとっての大先輩たちの話題にも触れています。

そんな中、Juice=Juice の宮崎さんと金澤さんをともなって、佐紀ちゃんと舞美ちゃんと なっきぃ が、ワチャワチャ女子会を見せてくれています。このパートの最後の部分で、おそらくスタッフから求められたのか、ハロプロのDマガがラストとなる佐紀ちゃんのコメントが述べられます。
「え~~っ?」とか言いながら、さすがキャプテン、それなりのコメントを述べようとしますが、舞美ちゃんも なっきぃも一緒になって「しんみりするからイヤだ」と、ワチャワチャしたテンションに戻すといった場面があります。そして、最後のメイキングに一瞬だけ写る、佐紀ちゃん、舞美ちゃん、なっきぃ の3人の様子も・・・

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ベリキューのパートには、この「去って行く者を惜しむ」かのようなメンバーの姿が、あちこちに見られるのでした。

先輩から受け継いだものを、次の後輩へ受け渡していくハロープロジェクト

と、表題に書いて、もう、そのまんまです。
この、ハロー!プロジェクトDVDマガジン Vol.44 には、いろんなテイストで、こうしたハロプロのメンバーたちの縦と横の繋がりが、意図したものであるのかどうか、活写されています。

先輩たちがいろいろ気を使ってくれる中、何もできなかった工藤ちゃんや鞘師ちゃんが、いつの間にか、気を使う先輩側になっていました。キッズのみんなが、いつの間にか、自分たちの来し方をふり返るような、素敵な大人なお姉さんになっていました。

自分たちがやってくる前からそこにいた人たちが培ってくれたものを土台にして、また自分たちが去った後に来る者のために

たまに思いませんか? いったい、自分たちは何を見せられているのだろうかって。

ハロー!プロジェクトDVDマガジン Vol.44、は、ハロプロの在り方が実に鮮明になった、すばらしいDマガです。
ネタばれしないようにと思って、具体的な内容になるべく触れないでいたので、その点は読みにくくて、申し訳ない。

(文=kogonil)

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“旅立つ者あり、旅立ちを惜しむ者あり、参入する者あり、迎える者あり(ハロプロDマガ Vol.44)” への2件のフィードバック

  1. avatar アライブ名無しさん より:

    忘れもしない 1月11日 中野 朝公演 入場列1番に並んで 1番で場内売り場へ
    卓上パンフのDVDマガジン44を指して 「これひとつ」と言ったはず・・・
    帰宅後 いざ再生・・・DVDマガジン42・・・持ってるし・・・
    確認をおろそかにした自分が悪いけど・・・売り子さんもわかるだろ・・・
    DVDマガジンひとつしか買わない客だったなら、最新号に決まってるだろ!!!!!!!!!
    おまけに まるわかりBOOKも売り切れだし・・・

  2. avatar さゆみん一筋 より:

    未だに抜けきらない?

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