大の大人がアイドルを応援するのは気恥ずかしいことだろうか? NY新聞WEEKLY Biz社長の日記に思う

アメリカ最大の邦字紙である『USウィークリー・ビズ』を発行しているWEEKLY Biz社のCEO高橋克明氏のブログが話題になっています。
氏は、同紙の代表兼インタビュアーでもあり、翌日に10人全員への取材するため、招待席で先日行われたニューヨークコンサートを観覧したとのこと。
(同紙では、ライブに先立つこと1週間前に、告知記事が掲載されていました。モー娘。’14がNYで単独ライブ | NY Weekly Biz

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モー娘。NYコンサート行ってきました(^^;)

http://ameblo.jp/matenrounikki/entry-11935680916.html

日本のアーティストがNYでライブをする際、観客の実際は現地の日本人がほとんどだったりすることも珍しくはありません。
それでも日本に帰国時の際、「NYで大盛況!!!」っていうお土産を持って帰れる。つまりはブランディングのためのライブだったりもします。
でも、今回は観客のほとんどが、ガチで現地のアメリカ人(!)
実はそれって珍しい事で、3月のきゃりーぱみゅぱみゅLIVE 以来だと記憶します。

モー娘。NYコンサート行ってきました(^^;)|NY 新聞社社長の摩天楼★日記

今回は観客のほとんどが、ガチで現地のアメリカ人(!) というのを、実地で取材した現地メディアの方が発信してくれるのは、非常にありがたいことです。
今でもネット上では、「8割がた日本人だった」など悪質なデマが書き込まれています。実際に、高橋氏も指摘されている通り、そうした「ニューヨーク」の使い方をするミュージシャンやグループも多いようです。

しかし今回のモーニング娘。NY公演では、アメリカ本土はもちろんのこと、ハワイなどの離島、ブラジルやカナダなど南米北米からもファンが集まってきていたとのこと。
これまで地道に芸を磨き、唯一無二のつんく♂ワークスでハロプロというジャンルを突き詰めてきた結果と、インターネットや動画サイトの普及が、モーニング娘。の人気を世界的にしたと言っていいでしょう。

音楽に国境はない

やっぱりアメリカ人は日本人の日本のサブカルチャーを見たいと思ってる。
アメリカ人がアメリカ人のモノマネをしてるアーティストを見たいとは絶対思わない。
動画サイトのおかげなのか、日本のライブ時と同じ日本語の掛け声をそのままかけるアメリカ人の観客。
それぞれのキャラクターを熟知して、それぞれに違った声援を贈るアメリカ人。
はっきり言って、むちゃくちゃ盛り上がってました (笑

きゃりーぱみゅぱみゅさんがウケたのも、おそらくそこのところだと思いますが、ハロプロ楽曲は海外ファンの耳からしてもかなりユニークに聞こえるようです。
つんく♂さんは常に世界の先端のホットな音楽(今で言うとEDM)を取り入れて曲作りをしていますが、それも単純にアメリカのヒットチャートの焼き直しではなく、つんく♂というフィルターを通して常にオリジナリティのある音を作っています。
今回のNY公演成功に際して、つんく♂さんがブログで自賛していますが、その資格はあります。

自画自賛ではございますが、私の音楽が本場アメリカでこうやって轟き、
手応えのある反応を目の当たりにし、
これまでやって来た事、作って来たことが間違ってなかったんだなと確信出来ました。
モーニング娘。’14 ニューヨーク公演無事終了!|つんく♂オフィシャルブログ 「つんブロ♂芸能コース」 powered by アメブロ

「音楽に国境はない」
これは、高橋氏が今回のモーニング娘。の直後にインタビューを行なわれた、YOSHIKIさんが20年前から言い続けていることです。言い続けた結果、再結成後のX JAPANは、北米からヨーロッパへの世界ツアーを成功させています。モーニング娘。もX JAPANも、ジャンルを超えた「音楽」の力で、日本から世界に挑戦しようとしています。
今回のNY公演で、モーニング娘。も海外に通用する可能性を確認することが出来たので、いずれはX JAPANのように、モーニング娘。’1Xがワールドツアーなどできる日も来るのではないか、と想像しています。

僕が日本にいた頃の“モー娘。”はアイドルでした。
でも、今日見た彼女たちは、当時以上の“アイドル感”を持ちつつ。パフォーマンスのクオリティーの高さや、キャッチーな曲は、僕の知ってるモー娘。ではなく。
正直、ちょっと楽しかった(^^;) (日本離れてる間にこんなんなっとったん?)
帰り道、PVの衣装のままコスプレしてるアメリカ人女性を捕まえて、紙面用のコメントをもらいました。
彼女は感極まって 「振り付けをソックリそのままコピーしてきたの!すぐそこで、憧れの○○ (メンバーの名前、ゴメンwわかんない) と会えたの~、、」 と涙目で語りました。
海を超えて、人種を超えて、( 実際は“会った”わけじゃなくて、見ただけなのに笑) 感極まって、涙を流させるー。
それって、実はスゴいことだよなあって思わされました。

もちろんモーニング娘。は今でもまさしく「アイドル」なのだとは思いますが、おそらく氏が覚えているのは「親しみやすい笑顔で誰もが真似できるダンスを踊る」という15年前―いわゆる黄金期―のそれだったのでしょう。(氏が渡米したのは2000年11月…『恋愛レボリューション』の頃です)
それと比べると今の尖った音楽で、複雑なフォーメーションダンスを踊るモーニング娘。’14の姿は、まさに隔世の感があったことだろうと思います。

女優の松岡茉優さんや、ユースケ・サンタマリアさんが、メディアで今のモーニング娘。をPRしてくれる時、事あるごとに「今のモーニング娘。が」と「今の」を強調していますが、やはりそれほど世間的に確立された「モー娘。=LOVEマシーンでウォウウォウ」のイメージは強固なのです。(高橋氏は日本を離れていたという事情があるにせよ)

そして、そんな鮮烈なイメージチェンジを目のあたりにしてしまうと、これはもうやっぱり好きになってしまうんですよね。

 人は人生で2度モーニング娘。と出会う

おい、おい、ちょっとカッコいいと思っちまったぞ (^^;) オイ。

それにしても。
当初、これっぽっちも興味なかったのに。
10代の女のコの、歌って、踊ってる姿を、ほのぼのしながら、「元気もらえるなぁ~」 と微笑ましく見ている自分に気がつき w
今まで自分で気付かないフリをしてたけど。
“おっさん”決定。 オレ。 今日で。

かなり心惹かれるものがあったようですが、まだ「ちょっと」とか「これっぽっちも興味なかったのに」とエクスキューズをしたり、「“おっさん”決定。」なんて照れ隠しをしてしまったりする辺りの戸惑いが微笑ましいですね。

そうでした。こんなサイトを運営していると、ハロプロを応援して、道重さゆみを賞賛して、新メンバーの少女に声援を送るのは至極当然のことのような気がしますけど、アイドル文化からまったく無縁で生きてきた人が最初にこうした「洗礼」を受けると、こうして「あれ?オレ大丈夫かな!?」って困惑してしまうものだったのでした。筆者も15年前に、ハロプロを聞いていることをバンドメンバーに隠していた遠い記憶が蘇ってきました。それが今や、ハロプロのライブを見ればほのぼのどころか感動して滂沱の涙でハロプロ男子校(仮)ですからね。

漫画『ハチミツとクローバー』に、「人が恋に落ちる瞬間を初めて見てしまった」という名シーンがありますが、こうして「人がアイドルに転ぶ瞬間」を見るのも、なかなかムズムズして甘酸っぱくて良いものです。
大丈夫ですよ、高橋さん。音楽に国境はないし、才能にジャンルはありません。本物のエンターテイメントを応援するのに性別も年齢も関係ありません。

そしてこれから、Youtubeで過去の動画を漁ったり、プラチナ期の高品質な楽曲や、『One・Two・Three』以降の清新な新生モーニング娘。のパフォーマンスに「出会って」胸躍る体験ができるというのは、羨ましいことでもあります。

摩天楼!

(文=宮元 望太郎)


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“大の大人がアイドルを応援するのは気恥ずかしいことだろうか? NY新聞WEEKLY Biz社長の日記に思う” への4件のフィードバック

  1. avatar アライブ名無しさん より:

    ハロプロ男子校(仮)聞いてます
    長く続くことを願ってます
    ニコ生みたいに双方向でファン同士がつながる場がほしいですね
    ファンがMV見てあーでもないこーでもないとか

    頑張ってください

    • avatar 宮元 望太郎 より:

      ※1
      聞いていただけてとても嬉しいです!
      初回は散々な出来でしたが、これからもう少し慣れていければ、と思います。
      双方向性の企画も面白そうですね。色々チャレンジしてみます!

  2. avatar アライブ名無しさん より:

    まだ「はは、どうかしちゃっただろ?俺」状態だとしても、表にこうやって娘。の、ハロプロの、すごさを発信してくださってるのはありがたいですね。

    アイドルフィルターは強固なものですが、フィルターはずして「モー娘」から「モーニング娘。」に変わった時はそそりゃもう世界が一気に広がったような清々しさがありますよね。
    自分もそうでした。

    そして、今のモーニング娘。がすごいんじゃなくて、モーニング娘。はずっと凄くて、知らない自分が愚かだったと気付くのですね。分かります。
    自分もそうでした。

  3. avatar 宮元 望太郎 より:

    ※2
    そうです。モーニング娘。はいつだって凄かった。

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