モーニング娘。紅白出場ならず　「ドーピング」商法＝「界王拳」戦略の転換はできるか

今年の年明けから「紅白を目指す」と公言し、11ヶ月というスパンで常にそれを視野に入れた活動をしてきたモーニング娘。メンバーやファンの期待も大きく、それだけに今回の「落選」の報は、ファンにもメンバーにもつらいものとなりました。

しかし、ことネット報道に目を転じると、紅白関連の芸能ニュースで一番多く報道され、注目度を集めているのが「モーニング娘。落選」のニュースだったりもするわけです。当選でニュースになるならともかく、NHKがモーニング娘。のモの字も出していないのに、落選しただけで騒ぎになるって、これはなかなか凄いことです。2年前、3年前は話題になるどころか、誰も出れるなんて思いもしなかったのですから。

Googleニュース検索で「モーニング娘。紅白」で検索すると、わずか２日間でこれだけのネットニュースが出ていることが分かります。

「紅白落選」がニュースになるモーニング娘。

モー娘。紅白落選にリベンジ宣言 リーダー・道重「このまま突っ…
インフォシーク?- ?19 時間前
また2011年に9期として加入し、ボーカルを多く担当する鞘師里保は、今年の目標に「紅白出場」を掲げてきただけに特に悔しい思いを明かし、「1月からずっと出たい！って言ってたし、紅白出場にはこだわっていただけに悔しい気持ちは凄く大きいです」と吐露。しかし、「今回はその?…

モー娘。道重さゆみ、紅白落選に「悔しい気持ちある」

47NEWS?- ?15 時間前?

今年は同グループ初の年間3作の首位を獲得するなど活躍し、6年ぶりの紅白出場が期待されていたが、結果は残念ながら落選。リーダーの道重は「2013年の紅白歌合戦にモーニング娘。、、、出演する事はできませんでした」とファンに報告し、「今年の目標の一つでもあったので?…

３作連続１位も紅白落選…モー娘。道重さゆみ「悔しい…ですが」

スポーツニッポン?- ?15 時間前?

モーニング娘。の道重さゆみ（２４）が２６日に自身のブログを更新し、願っていた大みそかの「第６４回ＮＨＫ紅白歌合戦」（後７・１５?１１・４５）出場がならなかったことについて「悔しい」とつづっている。モーニング娘。は今年、１１年ぶりにシングル３作連続首位を記録するなど、６年?…

モー娘。道重さゆみ、紅白落選に悔しい…さらなる飛躍を誓う

シネマトゥデイ?- ?16 時間前?

[シネマトゥデイ芸能ニュース] 第64回NHK紅白歌合戦の出場歌手が発表された25日深夜、モーニング娘。のリーダー・道重さゆみがブログを更新し、落選の悔しさをつづった。モー娘。は今年11年ぶりにシングル3作連続首位を記録するなど、6年ぶりの出場が期待されていた。

モー娘。“再ブレイク”も紅白落選……道重さゆみ、「もちろん悔しい」

インフォシーク?- ?14 時間前?

リーダーの道重は26日に更新した自身のブログで、「ご存知の方もいらっしゃると思いますが、、今年、2013年の紅白歌合戦にモーニング娘。、、、出演する事はできませんでした」と自らファンに報告。「今年の目標の一つでもあったので もちろん悔しい気持ちはあります」と偽らざる?…

道重さゆみ モー娘。紅白落選も前向き！「武道館で集大成見せる」

芸能ニュースラウンジ?- ?14 時間前?

人気アイドルグループ『モーニング娘。』のリーダー・道重さゆみ(24)が26日未明、自身のブログでNHK紅白歌合戦落選についてつづった。 『モー娘。』は今年、11年ぶりにシングル3作連続首位を記録。6年ぶりの紅白出場が期待されたが、25日に発表された出場歌手の中に、『?…

「肉弾接待」報道が決定打!? シングル3作連続首位のモーニング娘。が紅白出場を逃したワケ

インフォシーク?- ?8 時間前?

大みそかの『第64回NHK紅白歌合戦』の出場歌手が25日に発表された。昨今のアイドル人気を取り込むかのように、昨年よりもアイドルグループは2組増えて史上最多の12組が出場。AKBグループはAKB48、SKE48、初出場のNMB48と姉妹グループで異例の3枠を“独占”して?…

モー娘。道重 紅白出場ならずも前向き「もちろん悔しい」

日刊アメーバニュース?- ?11 時間前?

モー娘。ブーム再来のはずだったのに… ハロプロファン、紅白全滅に落胆 …

J-CASTニュース-5 時間前

第64回紅白歌合戦の出場者が2013年11月25日に発表された。「アイドル戦国時代」と呼ばれる現代を表すように、白組、紅組ともにアイドルグループの出場が目立つ。 そんな中、モーニング娘。をはじめとするハロー！プロジェクト（ハロプロ）の?…

モー娘、セカオワ、倖田來未らは「紅白」出場ならず

東スポWeb-2013/11/25

しかし例えば、目下最大最強の敵である「AKB48 紅白」でニュース検索すると、この有り様です。

紅白「AKB」の3枠にネットで『まとめろ』とクレーム殺到！反対カワイイ！

秒刊SUNDAY-2013/11/25

「まとめて出せよ」「最低の紅白だ」『NHK紅白歌合戦』AKB48グループ …

日刊サイゾー-2013/11/25

ＮＭＢ悲願の初紅白 アピール実結ぶ

日刊スポーツ-18 時間前

サカナクション、miwa……NHK『紅白』内定情報続々 AKB独占状態 …

日刊サイゾー-2013/11/22

AKBは「出て当たり前」なので、出場が決まっただけではニュースになりません。なのでAKBと絡めてNMBで記事にするか、もしくはこのように批判一辺倒の記事になってしまいます。他人ごとながら、これはこれでなかなか大変そうですね。

翻ってモーニング娘。は、ネットニュースやワイドショーで「出場逃す」と何度も報道してもらえたおかげで、「また人気が盛り返してきているらしい」「紅白に出るか出ないか議論になる程度に売れていたらしい」と世間に知ってもらうことも出来ました。これはなかなかの宣伝効果といえるのではないでしょうか。

ネットの反応

モー娘。ブーム再来のはずだったのに…　ハロプロファン、紅白全滅に落胆と怒り

第64回紅白歌合戦の出場者が2013年11月25日に発表された。「アイドル戦国時代」と呼ばれる現代を表すように、
白組、紅組ともにアイドルグループの出場が目立つ。

そんな中、モーニング娘。をはじめとするハロー！プロジェクト（ハロプロ）のアイドルは出場ならなかった。
13年は特に「モー娘。人気再燃」などと盛り上がっていたこともあり、ファンは落胆し、他のアイドルに怒りをぶつけるような人もいる。

■「一枠ハロプロに譲って」「国民にケンカ売ってんの？」

13年の紅白歌合戦は、白組は嵐、関ジャニ∞、SMAP、Sexy Zone、TOKIOとジャニーズから5グループ、EXILE、三代目 J Soul BrothersとLDHから2グループ。
紅組はE-girls、AAA、Perfume、ももいろクローバーZと、48系列からAKB48、SKE48、初出場のNMB48が出場する。
アイドルグループは全51組中14組と、かなり高い割合だ。

しかし、アイドルが名を連ねる出場歌手発表の中に、ハロプロ勢の名前はなかった。

発表後、ネット上では落胆するファンが続出。「落選、、、そんな、、、」「まじおわった」「残念だなー、いつも頑張ってるメンバーの姿を見てるから辛い」
などと書き込まれた。

48系から3グループということに腹を立てたハロプロファンも多いようで、「正直一枠ハロプロに譲ってほしかった」「3つも出るとか国民にケンカ売ってんの？」
「秋元組出しすぎ 共感する人はNHKにクレーム入れようぜ！」など、憤りの書き込みも目立つ。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131126-00000001-jct-ent

握手商法は『界王拳』

それに、「再ブレイク」「新生モーニング娘。」の仕掛けと、紅白出場権を獲得するための実績作りとしてのオリコン1位レースで、すんなりと紅白出場を果たしていたら、ちょっとうまく出来過ぎというか、ファンもメンバーも燃え尽き症候群のようになってしまっていたかもしれません。（ファン的立場からこういうことを言うと、負け惜しみのように聞こえて痛々しさもありますが…）

それに、10万枚売ってオリコン1位といっても、その実態は握手イベントでの固定客の大口購入や、多品種販売での複数購入といういわゆる「ドーピング」的手法に頼って、なんとか上乗せした数字です。これは、メンバーの肉体的、精神的負担も、ファンの金銭的負担も、そうとう厳しいものがあります。筆者はこの「ドーピング」という表現は好きではないのですが、「生身の実力以上の結果を出す禁断の手法」という意味では言い得て妙ではあります。

現状のような「限定A?F＋握手販売」は、ドラゴンボールで言うと「界王拳」のようなものです。それも10倍レベルの、相当体に負荷がかかる戦い方です。

界王拳とは『ドラゴンボール』の主人公である孫悟空の必殺技の一つで、使用すると体から蒸気が噴出し、界王拳の倍数と同じだけ戦闘力が上昇します。しかし体への負担が大きく、倍率を上げると使用後は戦闘不能になるほど消耗する奥義です。

界王拳…！

短期決戦で片がつくような状況ならいいんですが、長期戦になるとどこまで持つかわかりません。
おそらく事務所側としては、界王拳10倍を使って連続1位を年末にかけて獲らせて、なんでもない日の武道館＋紅白出場を果たして仕上げる、というような絵を描いていたものと思われます。

となれば、その目論見が外れた以上は、戦い方を見なおす必要があります。普通の顔をして界王拳10倍を通常状態でこなせるようにするか、元気玉のような全く新しい戦技を考えるか、新たなZ戦士を加えるなど、別の手を打つ必要があるでしょう。こちらが界王拳を使って戦闘力10万、向こうは常時戦闘力100万では、消耗戦には分がありません。

ドラゴンボールでも、「界王拳」だけでは、結局ベジータとの死闘を制することは出来ませんでした。

紅白出場を阻むものは？

それに、「紅白出場」というのが果たして「目標」として適切なのかどうかも、一度考えなおしたほうがいいのかもしれません。
たとえば「オリコン1位」や「ドーム公演」などは、自分たち（事務所＋メンバー＋ファン）だけで達成する目標であり、数値も明確です。

しかし「紅白出場」は、決定権を完全に第三者が握っている以上、何をどれくらいどうすれば出場できるのか、どこまでいっても不明です。いや、不明だからこそ目指し甲斐があるのかもしれませんが…。今回も、矢口の不倫騒動でイメージが悪化した、一部週刊誌の『大河ドラマのプロデューサーが怪しい接待』の記事にNHK側がナーバスになった、など様々な憶測がありますが、それがあたっているのかどうかも全く分からない。

綺麗事を言うようですが、「紅白に出るために頑張る」のではなく、「頑張った結果、紅白にも出られるようになる」というのが理想ですよね。（紅白に出ることを目的としてCDセールスやNHKへの貢献を優先するのって、情報の少ないペラサイトを量産してSEO対策をする、みたいな本末転倒なところを感じます。検索順位の決定権が完全にGoogleに委ねられて非公開なところも、紅白選定とちょっと似ています。）

あまり「○○のせい」というようなことを言ってもしょうがないのですが、NHKのプロデューサーが石原真氏であるうちは、名実ともに相当「売れている」という状況を作らない限り出場は難しいのではないか、と思います。

石原真は、紅白のチーフプロデューサーという要職にありながら、AKBの被災地訪問についていくほどの「ファン」で、「今、日本は壮大な『AKBサーガ』の中にある」と公言してはばからないような人物です。最近始まった『AKB48 SHOW』という冠番組も、この人物が手がけているようです。

「今、日本は壮大な“AKB48サーガ”の中にあって、メンバーもファンもライバルも、みんなその物語の登場人物なのかもしれない」

――石原 真
NHK 制作局エンターテインメント番組部　エグゼクティブ・プロデューサー

「紅白」チーフ・プロデューサーも務め、数々のアーティストの才能を見抜いてきた石原Pが語る「2012年の女性アイドル」。

いやあ、すごいですねこの台詞。ライバルも「AKBサーガ」の登場人物だそうで、嬉しいですね！

…受信料を払っている一国民としては、民法ならまだしも中立を旨とする「皆様のNHK」がこんな公私混同まがいの番組作りをしていていいのだろうか？と疑問を呈したくもなってしまいますが、こうして業界の人間を味方にするほど入れ込ませるのも、それだけAKB48 に魅力があったということなのでしょうか。
しかし冒頭のニュース引用でも分かる通り、あまりに偏った姿勢には批判の声も大きくなりますし、そうそう恣意的な編成は続けられるものではないと思います。

本当のサーガはここにある

ファンの贔屓目かもしれませんが、『サーガ』という大げさな表現が許されるなら、ハロプロの物語こそが一大叙事詩になるのではないかと思います。15年の歴史の中には、色々な物語がありました。結成、解散の危機、ブレイク、黄金期、雌伏期、臥薪嘗胆、栄枯盛衰、祇園精舎の鐘の声、盛者必衰の理をあらわす…。
少年漫画や英雄譚には、主人公の失敗や挫折はつきものです。英雄の真価は、むしろ挫折してからどう立ち上がるかにかかっています。そしてモーニング娘。のメンバー達はすでに立ち上がっています。

全てはまだ学ぶ途中。みんなみんなそうなんです。彼女たちが来年はもっと力をつけて、超サイヤ人…いやスーパーヤッタルチャンになって、年末の大きなステージで「I’m here!!」と叫ぶ日が来ることを願って止みません。

（文＝宮元 望太郎）