怒涛の4日間~Berryz工房祭り~を楽しむために心がけたい4つのこと

自分の目で見に行く意味

Berryz工房の無期限活動休止が近付いている。

ふと気付くとBerryz工房のことを考えてしまい、手を止め、ぼうっとしてしまう日々を過ごしている人は多いのではなかろうか。そのたびに彼女たちへの感謝とまだまだ応援していたいという叶わぬ願いが込み上げる。彼女たちの選択を尊重し、受け入れたはずの“無期限活動休止”がここにきて心に重くのしかかる。確かに受け入れたはずだったのに。

自分の目で見届ける覚悟も今のところできているはずである。それとは相反し、自分の目では見届けるのが怖いという感情も持っている。“無期限活動停止”なんて知らなかったことにしてライブを楽しむことができたらなんてうれしいだろうか。いっそのこと、自分が行かなければ“無期限活動停止”はニュースで飛び込んでくる情報でしかないのだから。それでも、自分の目で見届けることの意味を信じて、わざわざ予定を空け、お金を出して、自分の足で会場へ足を運ぶのである。けじめをつける、とはちょっと違う。

矛盾しているようで、それでも見に行きたいと思うのは、やはり自分の目で見届ける意味を信じているからだろう。そして何より、Berryz工房が好きだからだろう。最後の瞬間、どんな気持ちでステージの上のBerryz工房を見ているのかは想像もつかない。私のような心境にある人にこそ大切なのは、行くからには全身全霊をかけて「楽しむ」ことなんだと思う。

ということで、怒涛の4日間~Berryz祭り~はこれまでで一番“楽しむ”ライブにしたい。

1.曲について考えること

“楽しみ方”は人それぞれだが、他人の“楽しみ方”を聞いて、なるほどと思いやってみる。やってみるとこれが意外とハマり、自分のものにしてしまう。怒涛の4日間を前に、自分の“楽しみ方”を書く。逆に、「○○のこういうトコロがすき!」と言うのがあったらぜひコメント欄などで教えてほしい。

Berryz工房の楽曲「普通、アイドル10年やってらんないでしょ!?」についてこの頃思っていることがあるので、「それは違うよ!!」と言われるのを恐れつつも書いてみる。共感して、この曲をもっと好きになってくれたらうれしい。

この楽曲は、突然馬の鳴き声が入るBerryz工房らしいインパクトのある曲である。そして、つんく♂さんの好んで使う「ビート強め」の部類だと私は考える。「ビート強め」のバックトラックはかなりシンプルながらも洗練されている分、ひとりひとりの声と歌い方に個性があるというBerryz工房の強みが十分に活きる。楽曲全体を覆う独特の緊張感と彼女たちしか歌えないメッセージに、「くうぅ」と思わずうなってしまう楽曲である。どちらと言えば通が好むいぶし銀の楽曲かもしれない。ただし、一つ謎がある。

なぜ「馬」がモチーフとして使われたのか?

あくまで推測の域を出ないが、それなりに自分の答えを用意している。楽曲の制作チームは、記念すべき10年の節目を迎えたBerryz工房を「馬」に例えたのではないか?「馬」は「走る」ために進化した。「馬」が「走る」様は、しなやかで、気品があり、そして美しい。

彼女たちも幼いころから、右も左もわからぬような状態でBerryz工房としてのキャリアをスタートさせた。当時は意味など考えず、ただがむしゃらに歌やダンスに取り組んだ。いつしか7人は、がむしゃらにやってきたことに小さな誇りを抱くようになった。今ではその堂々たるステージングで、見る者に多くの感動を与えるようになった。その様は、しなやかで、気品があり、美しい。「馬」が「走り」続けるかのごとく、「7人」は「Berryz工房」であり続けるのだ。

「馬」をモチーフに制作を進めるアイデアが出た事実は、ステキだと思う。制作チームから彼女たちへのメッセージか、もしくはリスペクトのあらわれか。現につんく♂さんもブログで「ご存知の通り、彼女達は結成10年を迎え、すでに11年目に突入しております。いやぁ~、これは本当にリスペクトするに値する結果だと思いませんか?!」(楽曲コメントより抜粋)と言及している。つまりは10年走り続けてきた彼女たちに対するリスペクトの表れなのだ。

余談だが、ここでつんく♂論を一つ。つんく♂さんが「ビート強め」と表現する曲には「良い奴/スマイレージ」,「私が言う前に抱きしめなきゃね/Juice=Juice」などがある。ここから推測するに、バックトラックのリズム感が強調されていことを前提に、歌詞をリズムに乗せて歌う楽しさが感じられるような曲のことを言っているように思う。そこから生まれるグル―ヴ感のようなものも含意するのかもしれない。確かなことは、つんく♂さんの考えるかっこいい音楽の一つの指標であるということである。

2.ひとりひとりを見ること

メンバーひとりひとりのことも、つんく♂さんよろしく書いてみる。いやーもうねっ(熊井ちゃん風)、ひとりひとりに思い入れがあって、書いていると楽しくなってきてしまう。

清水佐紀
コンディションがとてもよさそうだ。自分の中で何かがふっ切れたか、とてもいきいきしているように見える。ブログも新年から絶好調で、2015年一発目のブログは午前二時半の「おぱょ♡」。「おぱょ」は毎日がいきいきする魔法の言葉なのかもしれない。他方、ベリヲタにとっては思わぬお年玉となった。桃さんを筆頭にとんでもない“むちゃぶり”が多くなったが、嫌がりながらも最終的にそれにこたえる佐紀ちゃんはかわいそうかわいい。上手く言えないが、胸がギューっとなって、ますます愛おしくなる。

嗣永桃子
“ももち”がハードスケジュールを覚悟の上でテレビ出演をこなしていったのも、Berryz工房を有名にするため。自分を持ち上げる“キャラ”でも、自分では叶わないと認める最高の仲間たちがBerryz工房にはいるから。実はそれを一番理解していて、一番のフォアザチームの精神の持ち主。ストイックにかわいさを追求するトップアスリートか、はたまたみんなのアイドルももちか。そのアンビバレンスが嗣永桃子の魅力である。パフォーマンス中に垣間見られる、リズムや音程をはずしてたまるか、完璧に歌ってやる!という気迫に注目したい。

徳永千奈美
毎週日曜日の深夜のラジオ「BZS 1422」での一幕。オープニングトークにて一週間を振り返る二人。そこでの千奈美の発言は強烈に印象に残っている、「今週一週間もいろいろなことがありましたが、千奈美はねぇ、楽しかった~!どうですか熊井さんは!?」一週間=乗り越えるもの、としか認識していない人は多い。この世の中に生きるひとで、振り返ってみて、「楽しかった~!」と言える人はどれだけいるだろうか。Berryz工房の“幸せ感”の中心にはいつも千奈美が居るのかもしれない。

須藤茉麻
「七夕スッペシャルライブ」のベリヲタのサイリウムを使った輪投げのコーナー。輪投げの「まと」が「動く」ので、ふわっと投げれば入るようになっている。案の定、メンバーたちは次々にご褒美のアイスをゲットしていく。ところが、挑戦に失敗しアイスを獲得できなかった雅ちゃん。「よりによってお願い事がかなうと言われているこの七夕の日に、雅ちゃんにだけは悲しい思いをさせてはならない!一番純粋な気持ちでお願いしているのは雅ちゃんなんだから!!」と強く思った人も多いだろう。そんなピンチを救ったのが茉麻。一投目であっさりと成功させると、ちらっと雅ちゃんのほうを見て言ったセリフが「みや、いいよ食べて」である。当日のどの調子が悪く少し声がハスキーになって心配であったが、そんな声すらもかっこよく聞こえてしまう茉麻の絶妙なキャラに思わずニヤリとしてしまった。最後まで“男前”な茉麻を見届けたい。

夏焼雅
「男の子と女の子のおもうカワイイってちがうよね」なんて話はよく聞くが、雅ちゃんのカワイイはこの話の範疇ではない。性別問わず、だれからも愛されるカワイイを地で行く。ステージ上ではカワイイ動きをパーフェクトかつハイレベルにこなしてみせる。わかりやすく言えば、某リズムゲーム“太鼓の○人”の最難関レベル“鬼”をフルコンボするような感じ。もっとわかりやすく言えば、論より証拠、「完熟Berryz工房 The Final Completion Box(通常盤)」に収録されている“ぴったりしたいX’mas!”から「サンタはほんとにいるの?」(雅ちゃんパート)を聴いてほしい。最後の1秒までこのカワイイを目に焼き付けておきたい。

熊井友理奈
最近は他のメンバーとベリヲタが見守る中でひとりで何かをする光景が増えた。熊井ちゃんは意図せずとも、ベリヲタの期待にしっかりと応えてくれる。この熊井ちゃんを見守る“だけ”のあったかい時間と空間が大好きだ。なわとびも、ひとりしりとりも、成功しようと失敗しようと関係ないのだ。余談だが、最近作った前髪は「デビュー当時を意識したもので、最後までいろんな自分を見てもらいたいから」らしい。

菅谷梨沙子
Berryz工房の末っ子として注がれた愛情を、これからのHello!Projectを背負う後輩たちに還元しているようだ。後輩たちのリハーサルを客席から見てアドバイスしたり、ステージ袖で準備に苦戦している佳林ちゃんの髪をセットしたりと、後輩思いのエピソードが聞かれるようになった。パフォーマンスについてはもう今更言うこともない。りしゃこに残された大仕事はあとひとつ。来る3月3日に“伝説”になることだ。

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3.わかっているつもりでも…

百戦錬磨のベリヲタでも、初めて見に行くビギナーベリヲタでも後悔しないために書いておく。備忘録ではないが、ライブ中に感極まって忘れてしまうかもしれないこと、数点だけ。自身も直前に見返して集中力を高めたいと思う。

・「スッペシャルジェネレ~ション」の「スッ」
曲冒頭。難易度高し。わかりにくいとの声を受けてか、最近ではドラムで四拍、「チッ、チッ、チッ、チッ」とタイミングを知らせてくれる。なお、ベリヲタの声援にかき消されるケースも多く、依然として高難易度。2月8日の中野サンプラザのイベントでは恥ずかしながら私は後ろの席の女の子二人組の「きたきたきたきたきたきたーーーーーーー!」という声にゾっとしてしまい、言いそびれてしまった。情けない・・・・泣。

・「付き合ってるのに片思い」の「○○○に片思い」
曲中のメンバーの歌にかぶせて叫ぶ。1番のサビ→りさこ、2番のサビ→ももこ、最後サビ→ゆりな、で○○○に入る名前が変わるのがポイントである。気持ちよく叫べればBerryz工房のライブにきたなッという満足感が得られるので、この点を整理してライブに臨むのがオススメ。これが聞けるのが最後かもしれないとなれば、なおさら言いたい。

・「ギャグ100回分愛してください」の「○○○が一番好き!」
これも同様、かぶせて叫ぶ。1番サビ→ももこ、2番サビ→りさこ、最後サビ→ももこ。それまで歌っていた人と同じ名前を叫べばいい。比較的易しい。

4.残された時間も“楽しんで”

話題は戻る。

上で触れた「普通、アイドル10年やってらんないでしょ!?」だが、この曲の最終盤、馬の足音が浮かび上がり、馬が止まったかと思えばバンジョーが勢いよく掻き鳴らされ、「ブルルッ」と唇を震わせ大きく息を吐き出す。11年の長い旅路の末、やっとついた気高い一息だ。7人はここから散り散りになり、それぞれの道を歩み始める。やがて7人はだだっぴろく乾ききった荒野に“かっこよく”消えていくのであった。(私は“かっこよく”見送ることはできないだろうなぁ)

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新たに良さを発見し、寄り添ってくれる音楽がある。まだまだHello!Projectの楽曲は奥が深い。そんな風に考えていたら、一日一日はあっという間に過ぎていってしまうのだろう。まだ寒さの続く2月。彼女たちに感謝し新たな人生をお祝いする気持ちと、それでもやっぱりさみしくなってしまう気持ちを抱えつつ、“楽しんで”過ごしたいものだ。

(文=プウク人形劇場)

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“怒涛の4日間~Berryz工房祭り~を楽しむために心がけたい4つのこと” への4件のフィードバック

  1. avatar kogonil より:

    「ひとりひとりを見ること」以下のメンバー評は、一文字毎にうなずきながら読んだ。首が痛いよ。
    プウク人形劇場さんとは、ゆっくり語ってみたいです。

  2. avatar クンタキンテ より:

    アイドル10年やってらんないでしょ?はAviciiのWake Me UpというEDMにカントリーを混ぜ込んだ大ヒット曲を意識して作られたのだと思います。

    カントリーとEDMの融合を、つんく♂的ださカッコよさのバランスで作ってみたものがアイドル10年だと思います。そして、カウボーイやアメリカの農民に歌い継がれてきたカントリーミュージックに馬の嘶きのサンプリングは付き物です。特にユーモア色が強かったりパロディだったりする場合は必ずと言っていいほど馬や牛等の家畜の声のサンプリングが入ります。

    その伝統に則っているものなのだと僕は解釈していましたが、こぶしファクトリーのネーミングの様に、表面だけでは計り知れない想いがこめられてたりするのがつんく♂流ですよね。去年の歳男だった僕としては、午年を迎えるという意味合いもあって欲しいな、と思っています。

    プウク人形劇場さんには自分の思考停止っぷりを指摘された感じでギクッとしました。これが考察をし合うことの醍醐味ですよね。有り難うございます。

  3. avatar プウク人形劇場 より:

    <<1.kogonilさん

    筆者です。いつもたくさんの楽しい記事をありがとうございます。
    どの記事も切り口が新鮮で、時に私が疑問に感じていることに
    答えを与えてくれて、勉強になります。

    考えていることが実は似通っていたこともありました。
    何かの機会に、ぜひ一緒にお話ししたいですね

  4. avatar プウク人形劇場 より:

    <<2.クンタキンテさん

    筆者です。ご指摘にあったAviciiのWake Me Upの聴きました。
    確かに、ズバリこの曲がアイドル10年やってらんないでしょ?
    の下地になっていることは間違いなさそうです。
    かっこいい曲で、この曲も好きになりました。

    投稿を通じていろんな音楽を知ることができたらいいなぁというのが
    ひそかな願いでもあるので、それがかなってうれしいです!

    ありがとうございました!

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